（虫が苦手な方は、閲覧注意！です）

前回、穀物につく虫「コクゾウムシ」を取り上げました。

　　↓

『コクゾウムシ』（虫が苦手な方は、閲覧注意！です）これまで、穀物と三尸の関係について考えてきました。人の体内には「三尸(さんし)」と呼ばれる毒虫がいて、その三尸は穀…

ameblo.jp

調べてみてちょっと面白かったので、今回は同じように穀物につく代表的な虫「ノシメマダラメイガ」を取り上げてみたいと思います。(・∀・)

　　「ノシメマダラメイガ」

「ノシメマダラメイガ」は、米、小麦粉などの穀粉、油分の多い種子、乾燥加工食品などを食べる昆虫です（チョコレートも好き！）

この幼虫が玄米を食べる場合、胚芽部の次にぬか層を食べ、玄米を白米化するそうです。（虫が精米！？(￣∇￣)）

また、お菓子などの袋を食い破って袋の中に入ったり、食品の表面に細かく糸を張って覆ってしまうこともあるようです。

（すごいです！！ (・Д・) ）

幼虫と成虫

この「ノシメマダラメイガ」は、漢字だと「熨斗目斑螟蛾」と書きます。（以前はノシメコクガ（熨斗目穀蛾）とも呼ばれていた）

前翅(ぜんし)の模様が、着物の「熨斗目模様(のしめもよう)」に似ていることが、名前の由来です。　

（前翅(ぜんし)＝昆虫の前部の一対の翅(はね)）

[注] この着物の「熨斗目(のしめ)」には、全く違った二つの意味があり、一つは着物の柄置き様式としての意味。

肩と胸元と裾に大きな横段が来る形を表します。

もう一つは模様としての「熨斗目模様(のしめもよう)」

・・なので、ノシメマダラメイガの模様がどちらを表しているかわからなくて、一見様式の方を指しているようにも思えるのですが、なんとなく模様の方にも思えたので、勝手にそちらの方で解釈してみたいと思います。（間違ってるかもしれませんが）

「熨斗目模様(のしめもよう)」とは「熨斗(のし)」の形をモチーフに、細長い帯状のものを文様化したもので、吉祥(きちじょう)模様の一つです。

「熨斗(のし)」とは、もともとは鮑(あわび)の肉を薄くはいで引き伸ばし乾燥させた「熨斗鮑(のしあわび)」のことでした。

　「熨斗鮑(のしあわび)」

「熨斗(のし)」は祝事の儀式の肴(さかな)として用いられ、後に長寿の象徴として進物に添えられるようになりました。

現在の熨斗袋の右上に添えられている「熨斗(のし)」の飾りの起源が、この「熨斗鮑(のしあわび)」ということですね。

「熨斗(のし)」

「熨斗目模様(のしめもよう)」は、江戸時代から染織品の文様に使われていますが、現在最もよく見られるのは、細長い帯状の熨斗が数本束になっている「束ね熨斗(たばねのし)」と呼ばれるものです。

「束ね熨斗(たばねのし)」の文様

そして、模様の元になっている「熨斗鮑(のしあわび)」なんですが・・・

「熨斗鮑(のしあわび)」は2000年以上続く伝統として、現在も伊勢神宮に奉納される、神饌としての食材となっているのです。

伊勢神宮のような格式の高い神社に奉納される「熨斗鮑（のしあわび）」・・

・・そして、そんな格式のある模様の着物をまとったような、

「ノシメマダラメイガ」・・

なんだか高貴な存在？・・のように思えてしまうのでした・・

(・∀・)

（でも害虫なんですけどねー・・^_^;）

・・またまた話が意外な方向に・・(￣∇￣)

『スセリビメ』今回は、日本神話の「スセリビメ（須勢理毘売命）」について ^ ^ 　（ヒメじゃなくて、ビメ？(　ﾟдﾟ)？）「スセリビメ」はスサノオの娘であ…

ameblo.jp

『三尸と穀物』三尸（さんし）と穀物の関係について、考えていますが・・『さらにさらに穀物について（虫）』今まで「穀物」について、いろいろと書いてきました。『さらに「穀…

ameblo.jp

『さらにさらに穀物について（虫）』今まで「穀物」について、いろいろと書いてきました。『さらに「穀物」「糖質」について　２』前回の続きです ^ ^ 　前回はこちら　　↓『さらに「穀物」「糖…

ameblo.jp

オールカラー改訂版格と季節がひと目でわかるきものの文様

Amazon（アマゾン）

和の文様辞典きもの模様の歴史 (講談社学術文庫 2668)

Amazon（アマゾン）

きものの文様 ―格と季節がひと目でわかる(特選実用ブックスきもの)

Amazon（アマゾン）

訪問着特選訪問着ひらり熨斗古典の花模様薄紫袷正絹着物 HP1-61

Amazon（アマゾン）