自分の歩幅であるいていても、時には人の流れの速さに合わせなければならない。
時より、右手の人差し指一本だけ少し出して左から右へと一筋の線を書くイメージが何度も何度も浮かんでいた。
一体何をしているのかと、ある日そのイメージを辿ってみた。
その右手の人差し指先にはそろばんがあった。
そろばんの五の玉を人差し指ではじいていたんだ。
「ねがいましてーはー!」と言った感じで、そろばんの珠をゼロにしていた。
これを書いていて今、やっと気が付いた…。
そろばんの珠はいつの時もゼロにしておけ…。
ましてや計算などするな…。
役に立たない事などするな…。
だが、そろばんは持っていろ。それも大切なものだから。
人の流れに乗るときはそろばんも必要になる。
それなしでは波には乗れないのも事実。
だが、そろばんの珠はいつの時もゼロにしておけ…。
見えるものも見えなくなる。
物事を計るとき、計量器に初めから見知らぬ何かを乗せていたらその物の本当の重さは計れない。
知ることが出来ない。
知ったと思い込み知らぬままに時を過ごし
また、見あやまったまま思考を巡らせ見あやまった行動をとる。
はじめの一歩を間違えれば二歩目もまたそれに準ずることは当然のこと。
いつも右手人差し指一本立て、左から右へと線一筋ひくことを忘れぬように。
