夏の定番といえば怪談ですが、

 古来から伝わる昔話にも、

  怖くてスリリングな話があります。

 

その秀逸な作品が、

 『三枚のお札』です!。

 

 

昔々ある村に、お寺がありました。

 

そこに、やんちゃな小僧さんと、

 師匠である和尚さんが住んでいました。

 

ある日、小僧さんが、

 山へ栗拾いに行きたいと、

  駄々をこねました。

 

和尚さんは、山には、

 恐ろしい山姥がいるから、

  駄目だと反対するも、

 

何度も頼む小僧に根負けし、

 仕方なく山に行く事を許します。

 

 

和尚さんは、3枚の札をさし出すと、

 「山姥が出たらこの札に願い事を言って、

   使いなさい」と言い小僧さんに持たせました。

 

 

山に来た小僧は栗拾いに興じていたが、

 夢中になっている内に日が暮れてしまう。

 

すると、突然老婆が現れ、

 小僧さんを家に泊めてくれました。

 

だが夜にふと目覚めた小僧さんは、

 老婆が山姥の本性を現し、包丁を研いで、

  小僧さんを食べる準備をしているのを目にする。

 

小僧さんが、「糞がしたい」と言うと、

 山姥は考え込み、小僧さんを縄で括って

  便所へ連れて行った。

 

小僧さんは、1枚目の札を便所の柱に括り、

 札に「何かあったら自分の代わりに返事をしてくれ」

  と頼んで窓から逃げました。

 

 

山姥が「もういいか」と何度か尋ねると、

 小僧さんに化けた札が、「もうちょっと」と繰り返す。

 

山姥が我慢できずついに 便所の壁を壊すと、

 小僧さんは、跡形もなく消えていて、

  そこには破れた札があるだけだった。

 

だまされたと気づいた山姥は、小僧を追いかける。

 

山姥に追い付かれそうになった小僧さんが、

 2枚目の札を取り出し、「大河、出ろ」と、

  唱えて後方に投げると、大河が現れました。

 

だが、山姥はぐびぐびと大河を飲み干した。

 

次は「火の海、出ろ」と唱えて、

 最後の札を後方に投げると、火の海が出ました。

 

しかし山姥は、先ほど飲んだ、

 大河の水を吐いて吹き消しました。

 

命からがら、お寺に逃げ帰った小僧さんは、

 和尚さんに助けを求めました。

 

真面目に修行に励むことを条件に、

 壺に隠してもらいました。

 

和尚さんは、何事もなかったかのように、

 囲炉裏で餅を焼き始めました。

 

やがて血相を変えてた山姥が、

 お寺に入って来て、「小僧を出せ」と迫る。

 

和尚さんが「その前にわしと術比べをしよう」

 と山姥に提案します。

 

山ほどに大きくなれるか」と言うと、

 山姥は「ああ、出来るとも」と言って、

  ぐんぐんと大きくなりました。

 

和尚さんが「豆になれるか」と言うと、

 山姥は「ああ、出来るとも」と言って

  豆になりました。

 

すると和尚は、豆になった山姥を、

 素早く餅に挟んで食べてしまいました。

 

それから山姥が現れることはなくなり、

 小僧も以前より大人しく修行に励むようになりました。

 

機転の効く和尚さんも凄いけど、

 『遊戯王』バリに、切り札のカードを切る、

  小僧さんも凄い!。

 

小僧さんを執拗に追いかける、

 山姥の執念とスリリングな恐怖。

 

昔話にしては、秀逸な作品。

 

コレ考えた人って天才!。