人生80年時代、長寿大国となった日本に、
直木賞作家・佐藤愛子の同名エッセイを、
映画化したコメディー。
当年90歳の草笛光子演じる文筆家が、
世の中を一刀両断!。
数々の文学賞に輝き、作家として、
成功した佐藤愛子(草笛光子)は、
執筆活動を止め、鬱々と暮らしていた。
ある日、50代の中年編集者、
吉川真也(唐沢寿明)が、
エッセイの依頼にやって来る。
企画を成功させたい吉川に対して、
執筆を断固拒否する愛子だったが、
なかばヤケで連載を始めることに。
「子供の声がうるさい!」とか、
スマホに依存するという、
巷の新聞記事を見た、
酸いも甘いも嚙み分ける、
齢90歳の愛子先生が、
「世の中、間違っとる!」と、
歯切れの良い言葉で社会の出来事を、
一刀両断しながら、
人としての人情や情熱、人との繋がりから、
人生の喜びを観客に伝えてゆく。
監督は『老後の資金がありません!』の前田哲。
共演は唐沢寿明、藤間爽子、木村多江、
真矢ミキら。
90歳を超える現役大物女優の、
草笛光子さんが、100歳を超える、
作家・佐藤愛子さんを、
ほぼ等身大で演じるとあっては、
セリフの重みとか、説得力が半端ない!。
”第3の新人”と言われた”狐狸庵先生”こと、
日本文学界の重鎮・遠藤周作さんと、
愛子さんとは、中学時代からの旧友で、
北杜夫さん、阿川弘之さん、三浦朱門さんなど、
歴代の癖の強い”怪物作家”と肩を並べて渡り合い、
長い間、女流作家として、作品を世に生み出し、
トップで”番を張っていた”愛子さん。
愛子さんのお兄さんは、
『ちいさい秋みつけた』で有名な、
作詞家のサトウハチローさん。
御歳101歳!、怖いもの知らず!。
(怖いのは、オバケだけ)
生前、心霊体験をなさった、遠藤周作さんが、
あの世というものに、関心があったようで、
親しかった愛子さんに、
「先に死んだほう、が幽霊として現れて、
死後の世界はあるのかを教えよう」と、
約束していたそうです。
遠藤先生は、1996年の9月に他界されたのですが、
その翌年、生前の約束を守りに、愛子先生のもとへ。
そして「死後の世界はあった・・
だいたい君のいった通りだった…」
というコメントがあったそうです。
なんか、怖いけど、ユーモアに溢れた、
遠藤先生らしくて、いいエピソート。
愛子先生は、”天才バカボン”の大ファンで、
TVドラマにもなった、先生のエッセイ、
『娘と私の時間』にも書かれていました。
赤塚不二夫さんとも、交流があったようです。
とにかく好奇心の塊で、
友好関係が広い!。
映画にも描かれていますが、
毎回、愛子先生と孫がコスプレ、
記念写真を撮っていたエピソードを、
エンドロールで実際に撮った写真を、
流してました。
本編より、全力でぶっ飛んでました(笑。
さすが!。
さらに、『老後の資金がありません!』にも、
出演してた、演出家の三谷幸喜さん。
今回はタクシーの運転手に扮し、
草笛さんとの、おかしなやりとりは絶妙!。
老化は避けられないし、
誰でも平等に歳は取る!。
高齢化社会、歳の重ね方も人それぞれだし、
世の中に不満を言っても、変わる訳じゃない。
クヨクヨしたって始まらない。
ならば、老化を笑いに変えて、
世の中を明るくしよう!。
人は幾つになっても魅力的に輝ける!。
「いい歳して、何やってんだ!」
って言われたら、
「ワタシャこんな事したい、年頃なンだよ!」
って言ってやろう!。
コンナ、気分が癒される痛快なコメディ、
最近少なくなりましたね!。
九十歳。何がめでたい