絵は可愛いけど、

 ちょっと子供向けの作品なのかなと、

  敬遠していましたが、これは観てよかった!。

 

 

黒柳徹子さんの自叙伝的物語、

 「窓ぎわのトットちゃん」を、

   初のアニメ化した映画とあって、

 

 館内は、子供達はもとより、

  同年代のお年寄りの姿も多く見受けられました。

 

 

冒頭の、徹子さんのナレーションから、

 小学校を退学になった少女が、

  母親が見つけたユニークな学校で

   過ごしていく日々を描く物語。

 

第2次世界大戦末期。

 小学1年生の自由奔放なトットちゃんは

  落ち着きがないという理由で

   退学になってしまう。

 

 

母親はトットちゃんのために、

 自由が丘にある、ユニークな校風の、

  トモエ学園を見つける。

 

 

通い始めたトットちゃんは、校長の小林先生と出会い、

 当時では珍しい、自由な教育方針のカリキュラムの教室で、

  ユニークな仲間と、元気いっぱいの学校生活を送るようになる。

 

 

1981年に出版され、世界累計発行部数、

 2500万部も読まれている、ベストセラーの、

 「窓ぎわのトットちゃん」。

 

 

幾度も映画化のオファーがあるものの、

 本を読んでくれた人の頭の中の、

  トットちゃんのイメージが、実写にすると、

   違和感が出てくるのではないかと、

    

 原作者が、映画化を断っていたそうなんですが、

  

 アニメーションでの公開ならば、

  原作を愛するファンの方々や、

   戦時中の当時を知らない、

    若い世代や、多くの方々にも、

     楽しんでくれるかもしれないと、

     

 原作者から快諾された、

  そんな想いを乗せて、

   制作された今作品。

 

 

制作に携わったシンエイ動画の、

 工夫を凝らし、こだわった動画が、

  素晴らしく、

 

 紙芝居のような、淡い色合いと、

  ディティールの細かい風景、

   様々な演出を凝らした、

    ファンタジーのシーン。

 

好奇心旺盛な、トットちゃんの、

 頭の中を、遺憾無く再現されたいました。

 

 

 

実在するトモエ学園の、教育方針も、

 当時では珍しい、生徒に好きな授業を選ばせ、

  子供達の頭で考えさせると言う、

   押し付けない自由な教育。

 

 

障害を持った子や、コンプレックスを持つ子も、

 分け隔てなく、差別のない教育方針で、

  子供が興味を持つものを、全て見せる。

 

あんな時代実際に、こんな校長先生がいたなんて、

 むちゃくちゃ感動しました。

 

小林校長先生の、役所広司さん、セリフの殆どなかった、

 『PERFECT DAYS』と打って変わって、

   むちゃくちゃ雄弁で、いいこと言います。

 

「君は良い子なんだよ」という「君は」、

  という言い方が、『竜とそばかすの姫』の、

   お父さんのまま・・。

 

小栗旬、意外といい声・・。 

 

それでも、やはり戦火や敗戦の足音が忍び寄ると

 食糧難から、子供達も栄養不足になり、

  ひもじい思いも、どこにもぶつけられない、

   悲しいシーンも・・。

 

 

疎開先に向かう、列車から見たチンドン屋。

 

かなりシュールな境遇も、トットちゃんの、

 カラフルなファンタジーの妄想に、

   救われた気がします!。

 

このシーンには泣かされた。

 

戦中の、日本が間違った方向へ傾いて行きつつも、

 それを受け入れ、自分を貫き、

  健気に逞しく生きる様は、

 

  

 アニメ『この世界の片隅に』以来ですね。

 

今現在の停滞した社会にもなぞらえて、

 若い世代に、何度も観て欲しい作品。

 

 

なんだか、思っていた展開と違い、

 リアルに、観てよかったと思える、

  素敵な映画でした!。