私はサイクリングが好きで、

 週末は、片道33キロぐらいの、

  遠出をしています。

 

なので、途中でお腹を壊し、

 催してきた時の避難対策として、

  

 綺麗な公衆トイレや、トイレを貸してくれる、

  コンビニやスーパーを確保してしています。

 

有り難い事に、最近のおトイレは、

 とても綺麗で、トイレットペーパは甘美で、

  しかも、温水洗浄機までついてる!。

 

なので常に、トイレを綺麗に掃除してくれる、

 清掃員の方々には、頭がさがる思いです!。

 

渋谷の清掃員として働きながら、

 静かで穏やかな日常を送っている、

  ある男に、スポットを当て、

 

 その周りの人々の人間模様と、

  寡黙な男の過去を解き明かす、

   ドキュメンタリータッチの映画。

 

 

 

平山(役所広司)は、公衆トイレの、

 清掃員をしながら、日々の暮らしに、

  満足していた。

 

休日に古本屋で、百円の本を買ったり、

 長年聴き馴染んだ、今では貴重な、

  カセットテープの曲を、

   出勤途中の車内で聞いたり、

 

 

 小さなフィルムカメラで、

  木を撮影する事を楽しんだり、

   

 質素な生活ながらも、充実した日々に

  ささやかな喜びを感じていた。

 

 

1日のルーティンや、鍵などの日用品の置き場が、

 判で押したように、完璧に決まっている、

  そんな彼の日常に、ある日、

   ある出来事が起こり、

 

同心円を描いていた、彼の生活に、

 波紋が起こり、楕円形になる。

 

 

まるでNHKの、『ドキュメント72時間 』の、

 TV番組のように、物語は静かに進行するのに、

  延々と観ていても、全く飽きず、

   むしろ、心地よく楽しめました。

 

 

以前、観た『せかいのおきく』の様な、

 ”おわい屋”に似た、鼻ロウなお仕事を、

  題材にして、延々とその作業を見ているのに、

   なんだか尊く感じます。

 

渋谷のスタイリッシュで綺麗な公共トイレは、

 こう言う機能があるのかと、感心しきり。

 

 

ほんと、日本の公共トイレは綺麗で便利!。

 

トイレットペーパや、備品など盗まれる事ないし、

 日本の治安の良さが、伺えますね。

 

仕事終わりに入る銭湯や、

 行きつけの商店街のセンベロ居酒屋、

  たまに通う馴染みのスナックなど、

 

 

渋谷の街や、神社や公園といった、

 見慣れた風景も、日常も、

  映画のセットの様に美しい。

 

質素で、控えめで、それでいて、

 たまには細やかな贅沢を楽しむ。

 

寡黙で、孤独をしみじみ楽しむものの、

 それでいて人との付き合いも嫌いじゃない。

 

 

昭和の時代は、こういう静かな日常を、

 自分なりにエンジョイする人、結構いました。

今に時代は、皆んな物を持ちすぎて、

 豊かに過ごす時間を持てない。

 

我々は、平山さんのように、毎日を大切に、

 有意義に過ごせているんだろうか?・・・。

 

平山さんが、羨ましい!。

 

 

 

そして、セリフがほとんどないのに、

 役所さんの演技すべてが、自然でリアル。

 

『銀河鉄道の父』や、『すばらしき世界』など、

 多くの映画に出ていても、役所さんは、役所さん。

 

なのに、何にも演技していないように見えるのに、

 その所作や表情が自然で、どんな役にも寄せられる、

  演技力に凄さを感じました。

 

特に、ラストの何とも言えない、

 あの表情は良かった!。

 

 

 

『バベル』とか、『SAYURI』とか、

 海外映画にも出演してますモンね。

 

ほんと、一編の小説を映画で観たような、

 しみじみとする良作でした!。