透析を始めて、1年と9ヶ月。

 

透析回数も、300回目前!。

 

今まで、医療とは縁遠い、

 健康体だと思っていましたが、

  いざ腎不全になってみますと、

   世界観が、ガラッと変わってしまいました。

 

何しろ、医療の事も、保険や、

 入院など諸々の手続きも、

  何もわからない状態だったので、

 

仕事とか、生活とか、これからどうしようと、

 悩んでいる暇もありませんでした・・。

 

それが良かったのかも?。

 

あれこれ悩まず、病気を受け入れて、

 まあ、これまで働き詰めだったので、

  

 ここでちょっと立ち止まって、

  第二の人生、覚悟を決めて、

   1日1日を大事に楽しんでみようと決めました!。

 

担当の先生も、親身になって相談に乗ってくれましたし、

 何しろ、最新の医療の進歩に、びっくり!。

 

透析も、至れり尽くせりなンですね。

 

 

健康管理とか、検査とか、

 知らないことばかり・・。

 

4時間の透析中は、映画を観たり、

 テレビとラジオを聴きまくり!。

 

人生で、1番映画を観ている時間が、

 長いかも・・・。

 

そんな中、NHKで知った、

 ちょっと感動するお話・・。

 

 

 

 

『二平方メートルの世界で』

 文・前田海音/絵・はた こうしろう

 

札幌に住む、前田海音さんは、

 脳神経の病気を抱え、3歳の頃から、

  入退院を繰り返していました。

 

幼い頃から、病室暮らし。

 

病室のベッドの大きさは、

 たて約2メートル、幅約1メートル。


その周りをぐるりと囲うカーテンの中が

 入院中の彼女の世界・・。

 

そんな、入院中のある日のこと、

 たまたま、いつもとは逆に、

  頭と足を逆さまにして、

   ベッドに寝ていると、

 

備え付けの、オーバーテーブルの裏側に、

 たくさんの、落書きがあることを発見。

 

 

 

 

「みんながんばろうね」、「再手術サイテー」

 

「ママにめいわくかけちゃってる。

  ごめんね」など・・。

 

様々な病気と闘っていた、

 顔も名前も知らない子供たちが、

  同じベッドを使っていたんだ・・。

 

たくさんのだれかが、時空を超えて、

 わたしに語りかけてくれた。

 

ひとりじゃないよって・・。

 

苦しいのは、寂しいのは、

  私だけじゃないンだ・・。

 

みんな、病気と闘っていたンだ・・。

 

自分より、もっと痛い思いをして、

 検査を受けている子がいる・・。

 

 

家族がバラバラになってしまう子もいる。

 

そんな孤独で、不安な闘病生活を共有する、

 「病気と生きる仲間」の存在が、

   彼女の気持ちを後押しして、

    

3年生の時に、その事を作文を書き、

 その作文は、反響を呼び、

  「子どもノンフィクション文学賞」を、

    受賞しました。

 

作文は、絵本作家の、

 ”はたこうしろう”さんと、

   コラボレーションし、

     絵本にもなりました。

 

絵本には、海音さんが見ている、

 街や学校の風景、病院の様子が描かれて、

 

 病気で悩む子供達の、

 

「もういや!」、

   

「薬を飲まなくていい日をください!」

 

「なんで自分だけが・・」

 

「病気になったのは、自分のせい?」

 

 と言う表に出せない、内なる感情、

  孤独や、不安感の、一つ一つが重く、

   でも、悲しくなく、

 

 少しづつ病気を受け入れ、

  病気と共存する覚悟が伝わります。

 

これは、健康な人も同じで、

 

「仕事がうまくいかない」

「会社に認められていない」

「人間関係に不満」

 

 

五体満足、無病息災が1番ですが、

 病気になってみないと、

  わからない、大切な物を、

   見失っているような気がします。

 

彼女がベッドの上で見つけた、
 大切な発見。


「ひとりじゃないよ!」

 

闘っているのは、皆おなじ。

 

この絵本を通して、

 誰かに繋がりますように。