『シンプルプラン』
スコット・スミス 著
寝苦しい夏の夜に送る、
一気に読めるミステリー。
非常に静かで、シンプルな物語。
そして、夢に出てくるような、
非常に恐ろしい悪夢の物語。
雪に閉ざされた中西部の田舎町で、
平凡な暮らしを送る、
高校教師のハンク・ミッチェル。
ある雪の日の夕方、
借金を苦にして自殺した、
両親の墓参りに向かうため、
ハンクは、どん底の生活を送る、
気の弱い兄ジェイコブと、
その友人とともに、
町はずれの道を車で走っていた。
途中ひょんなことから、彼らは、
雪に覆われた森の中に墜落した、
セスナ機の残骸と出くわす。
そこには、パイロットの死体と、
440万ドルの現金が、隠されていた。
3人は、墜落事故を通報することなく、
その金を、悩みながらも着服し、
いずれ自分たちで分けるための、
ごくシンプルな計画をたてた。
だがその時から、
ハンクたちの悪夢ははじまっていたのだった・・。
なんら娯楽も無い寒村に育つ主人公らが、
日常生活の中で起きた、
思いがけない降って湧いた幸運とも、
不幸ともつかない事件に巻き込まれ、
歯車が狂い、犯罪に手を染める・・。
悪い展開から逃れようともがく程、
更に地獄に引きずりこまれていく。
悲惨な暮らしから抜け出すはずが全て裏目に
流されてゆく恐怖!。
「弱さ」故に、
誰もが心の奥底に秘めている狂気!。
事実、私もこの小説を読んだ後、
人を殺した悪夢を見ました・・。
この小説は、
「ツイスター」のビル・パクストン、
「アルマゲドン」の、
ビリー・ボブ・ソーントン主演、
監督、サム・ライミで、
映画化されていますが、
やはり原作のインパクトはスゴイ!。
興味のある片は必読ですぞ!。