876

『死体は悩む 多発する猟奇殺人事件の真実』

上野政彦     著
角川oneテーマ21

税込価格 720円

最近、凶悪化し続ける、
猟奇殺人事件やバラバラ殺人。

しかも、金目当てや、
怨恨が切っ掛けではなく、
親が子を、または、子が親を殺害し、
その死体をバラバラに解体したり、
切り刻む行為を目的にした、
犯罪が後を絶たない・・。

川で溺死した事故死と判断された、
秋田の事件も、遺体の損傷や、
生活反応の有無などで、
後の殺害事件も防げたのかも・・。

2万体の死体を検死に立ち会った著者は、
検死中に、雄弁に語る遺体からの声を聞くそうです。

今はやりの、神秘的なスピリチュアルではなく、
科学的な見地から、薬物反応や、うっ血、
生活反応、炭になった焼死体からでも、
死体自ら、真実を伝えて欲しいと語りかけ、
数々の殺人事件の深層を掘り下げ、
犯人の正体まで暴いていきました。

毒入りカレー事件や、トイレで、
女子高生が、産んだ胎児の首を絞めて殺したり、
実の親を殺害し、その生首をバックに詰め、
ネットカフェで一夜を過ごした事件など、
命の大切さを知っていたら、
防げたかもしれない事件もあった筈。

現代社会の心の闇に、
警鐘を鳴らす一冊です。