ちょっと前に、「(隣町の)ボーンマスからヴェニスまで日帰りで行くツアー」の宣伝を見たという記事を書いたが、

その記事は → ヴェニスへ日帰り

ツアーは、イースターの日曜と翌イースターマンデーに実施され、その模様がおなじみの地元紙の記事になっていた。2日間合計で約400人が参加したらしいよ。

しかもこの日帰りツアーは初めてのことではなく、6年前まで何度か企画されて、好評を博していたそうだ。

もともと「バース・トラベル」というイングランド南部を中心に事業を展開していた旅行会社の人気企画だったが、6年前にバース・トラベルは別の旅行会社に買収され、ヴェニス日帰りツアーも打ち止めになった。それを「バース・トラベル」の元経営者が再び企画したんだって。

「バース・トラベル」は資金繰りに窮して身売りしたわけでなく、むしろ経営が順調だったから別会社に買われて、元経営者さんは売却でかなり儲けたみたいだよ。今回の6年ぶりのヴェニス日帰りツアーも、「バース・トラベル」の元お客さんたちがこぞって申し込んだらしいです。

この「バース・トラベル」の元経営者さん、かなりやり手のアイデアマンだったようで、なんと1996年にはボーンマス空港にコンコルド呼んだんだって。

近隣住民がコンコルドを一目見ようと押し寄せたため、空港周辺は大混雑。空港からボーンマス中心部まで10キロ弱の渋滞になったそうだ。空港内に入れた人だけで二万五千人だって。


コンコルドのチャーター代が6万ポンド(900万円弱)。もちろんタダで見せるためにチャーターしたのではなく、ヒースロー空港からボーンマスまで20分間コンコルドに乗るツアーが199ポンド(3万円弱)で、ボーンマスから大西洋に出て一瞬マッハ2を体験し、ヒースロー空港に戻るツアー(シャンペン付きのランチ込み)が600ポンド(9万円弱)で、それぞれ100名に売り出された。ざっくり計算すると、チャーター代はシャンペン付きツアーでチャラで、20分ツアー分19900ポンド(300万円弱)が儲けってことになるね。


ツアーの値段の付け方も絶妙。199ポンドのツアーはわたしも参加したいよ。コンコルドに乗れる機会なんてそうそうないし、たった20分間でも乗ってみたいじゃない。コンコルド定期便のロンドン-ニューヨークのチケットは、普通の飛行機のファーストクラス以上したというし、ニューヨーク行く用事もないし。多分199ポンドのチケットはすぐ完売したとみたね。

さらに「バース・トラベル」の宣伝効果も抜群。それだけでもコンコルド呼んだ甲斐があるよね。「バース・トラベル」やるなあ。経営者さんはアイデアマンだね。

そのほか、ボーンマス空港からヨーロッパへ行くツアーも次々と企画して、どれも人気だったらしい。うちら辺からはヒースロー空港行くのに2時間ちょっとかかるから、ボーンマス空港から出発できるとすごく楽。人気だったのも頷ける。経営者さんは消費者の心理をよく分かってるんだね。

会社を売って悠々自適な生活を送ってたはずが、今回ヴェニス日帰りツアーでカムバック。消費者のニーズが読めるアイデアマンなんだから、これからも人気ツアーを企画して欲しいな。