「粋でお洒落なズボンプレス」 | 坐韻通信

「粋でお洒落なズボンプレス」

久しぶりのブログです。

今回は美しい装飾が施されたトゥルーザー(ズボン)プレスを紹介します。
イギリス製1900年代初頭のものと思われます。


スクリューを緩めて開くと、中にはスボンを数枚重ねてプレスできるよう厚い台紙が入っており、間にズボンをはさみ、スクリューを閉め込むとプレスできるというものです。
当時高級テーラーだったDore&Sonsが販売したものです。

台紙は6枚あるのですが、表裏違う絵がのものが3枚、表だけのものが1枚、無地が2枚入っています。
この台紙がまた興味深いものです。

 

表裏違う絵がプリントされたもの3枚のうち2枚は同じもので、1896年にDore&Sons社がトゥルーザープレッサーを販売した時のモノクロの図版です。
裏はトゥルーザープレッサー付のチェストなどのカラー図版になっています。

もう1枚はプレッサー付の高級なワードローブなどのカラー図版、裏はモノクロのファッション風刺画です。

表だけの1枚は、1886年イギリスの支配下に入ったヨルバ人(ナイジェリア南西部の民族の一つ)のヴィクトリア女王への閲兵式のカラー図版になっています。

プレッサー本体の表面にはエレガントな装飾文様が施されています。
紳士の為の道具ですが、表面に美しい装飾が施されているものはなかなかございませんので、当時は高級だったことが伺えます。

全体的には時代を経た傷み、使用感がございますが、台紙がとてもレアなものです。

お洒落で粋なプレッサーです。

 

 

スクリューを緩めて開けた状態です。
 

 

 

この上下の図版が表裏となった台紙が2枚あります。

 

 

 

モノクロの図版には上部にPATENT TROUSERS PRESSER と書かれ、中央にはズボンを6枚プレスしているプレッサーの図、1896年に販売された6枚用と12枚用の金額が描かれています。

また左の紳士がプレスの使用前、右の紳士が使用後の図となっています。

説明には、このプレッサーは、ズボンの膝の膨らみをなくし、ファーストクラスのコンディションを保ち、きちんと折り目が施される という旨が書かれています。

 

 

上の台紙が1886年イギリスの支配下に入ったヨルバ人(ナイジェリア南西部の民族の一つ)のヴィクトリア女王への閲兵式のカラー図版です。

こちらは片面だけで裏は無地です。

 

下の台紙は両面プリントされたものの表面です。
プレッサー付の高級なワードローブなどのカラー図版です。
中央にはくわえ煙草で、白い蝶ネクタイにタキシードを着た紳士二人がモノクロで描かれています。
このタキシードのスタイルから19世紀後半のスタイルであることがわかります。
裏面はモノクロのファッション風刺画です。

 

下部中央に「HER MAJESTY THE QUEEN REVIEWING THE YORUBAS.」とタイトルが入っています。
左下には COPYRIGHT E.S.DORE,Esq 
右下には A.VIVIAN MANSELL&CO., ART PRINTERS,LONDON,E.C.
と入っています。

 

 

 

こちらがタキシードを着た2人の男性の台紙の裏面です。

モノクロのファッション風刺画です。

 

プレッサー本体の裏側です。

 

 


1900年代初頭 ズボン(トゥルーザー)プレス

71cmx40cmx金具高14.5cm
58,000円(税込)送料別


 

アンティークギャラリー坐韻

 www.gallery-sein.com