「ブリストルガラス②」 | 坐韻通信

「ブリストルガラス②」

                               イギリス ブリストルガラス 1830年代
坐韻通信-ブリストルガラス



ブリストルガラスについての問い合わせがありましたので、ちょっと日本で売られているブリストルガラの様子を見てみました。
 そしてあれまあ~という次第。いつもの世界が展開していました。
 つまり世に言うブリストルガラスとは無縁の単なるブルーやグリーンのガラスが「イギリス・ブリストルガラス」として堂々とまかり通っている有様でした。
 ブリストルでのガラス製造について僕もちょっとかじった程度の知識しかありませんが、ブリストルガラスがつくられ始めたとされるのが1651年。最初は窓ガラスとボトルをつくっていましたが、次第に多くの窯が出来てクオリティーも非常に高まり、さまざまなテーブルウェアがつくられたといいます。
 そして件のブリストルブルー、ブリストルグリーン(一部にアメジスト)で代表されるいわゆるブリストルガラスは、1770年~1830年ごろに美しい製品が沢山つくられたようです。
 そしてそのいわゆるブリストルガラスは、ブリストルは勿論、ニューカッスル、ダブリンなどの港に面した街でもつくられたと高名なロンドンの友人は教えてくれた。
 それがなぜか1830年ごろに突然このブリストルタイプのガラスが消えゆきます。
 それを彼に訊くと「それはファッションさ。1825年をポイントに流れが変わるんだ」といいました。 つまり時代の流れが変わったということでしょう。時代区分でいえば、後期ジョージアンに始まりリージェンシー様式が終焉をむかえるとともに、かのブリストルガラスも消えていったということなのでしょうか。
 ですから1900年ブリストルガラスとか1930年ブリストルガラスというものは、自らブリストルでないことを語っていることにもなります。 なかにはなんでもありのビクトリアンというのもありましたけれど・・・。
 まあ商魂のたくましさには脱帽です。 日本にも多いブリストルガラスのファンの方々には申し訳ないありさまです。 

 もう一つちゃんとつけ加えておかないとならないこと。 それは本物のブリストルは実にガラス質もカッティングもグラビールも上物であるということ。
 曖昧さなど微塵もありません。 
 ブリストルガラスの名誉のためにつけ加えさせて頂きます。
 ブルーもグリーンも山ほどありますイギリスだけに限らず。

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               イギリス ブリストルガラス 1830年代
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                アンティークギャラリー坐韻 店主
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