ビザ取得から1ヶ月。渡仏まで1ヶ月を切りました。

そんななか、現地でもらったビザを滞在許可書に書き換えるにあたっての書類を集めています。

35年前の渡仏は、両親がいたし、現地には保護者代わりのカミーユさんがいたので

希望だけを胸に「いざ、フランスへ!」とひとっ飛びしましたが、

今回は二度目だからゆえの知恵もついていて、

入念に脇を固めています。

というのも、フランス書類関係は本当に複雑で

ビザによっても申請時に請求される書類が違ってわかりにくいのです。

これについては長くなるので、また今度ゆっくり書くことにして。

 

昨日、上野・東京国立博物館 表慶館で7月28日まで開催されている

カルティエと日本 半世紀の歩み

『MUSUBI』展〜美と芸術をめぐる対話を観てきました。

今までも、たくさんの展覧会が開催されていましたが、今回は、ジュエリーだけでなく、あまり知られていない

カルティエ財団と日本人アーティスト、それから、カルティエの日本での歩みが紹介されている珍しい展覧会でした。

 

エントランスホールを飾るのは、地方新聞にアクリル絵具で描かれた

渋谷翔作の日本五十空景は、とても綺麗でこの建物の空間美に花を添えていました。

 

同様に、この空間ではカルティエとゆかりの深い15人のアーティストの姿を映し出したインタヴュービデオがランダムに映されています。

 

最初の部屋は、19世紀の万博時代にパリ・ラペ通りに店を構えたカルティエが、

万博ブームで俄然注目された日本や極東をテーマに創作した作品が集められていました。

 

神社、手鏡、そして、寺(アンティークジュエラー・アルビオンアート・アンスティチュー所蔵)を模した時計の数々は、個性にあふれていて優美そのもの。1週間以上かけてゆっくりと針が動く、そのメカニックと宝飾ブランドの美の結晶とも言える作品です。

 

もちろん、印ろうからインスピレーションを得たバニティーケースや今回のテーマになっている「結」をモチーフにしたブローチやリストウオッチもとっても愛らしい!

 

実を言えば、私は、昔からバルロック・ブレスレットが欲しくてまだ手に入れられていません。

そんな素敵なバルロック・ブレスレットもありました。こちらは、

NYで1942年に作られたもので、日本愛に溢れたアメリカ人向け

だったのでしょうか?舞妓さんのお顔がとっても美人だったのが印象的でした。

 

 

次の部屋は、どどーんと大きな杉本博司の春日大社藤棚図屏風とともに、カルティエのナチュラリズムの作品が展示されています。題して「ハーバリウム」の作品には、ランの花をモノクロで再現したブリーチやロータスの灰皿、また生け花に着想を得たミニチュア作品など、ポエティックで自然を愛でるとても日本的なフィロゾフィーが感じられました。

りんごの木から落ちら一滴の露ダイヤモンドで表現されている、なんとも情緒的で儚さを表現した美学はさすがです。

また、特殊な構造で、しなやかでありながら、硬いフレームの取り付ければティアラとしても活用できる藤のブローチが見事でした。この変形可能なブローチは、小さなスパナやドライバー付きの、カルティエのトレードマークとも言える赤いモロッコ革のボックルに入れて、アーネスト・カッセル卿に販売されたのだそうです。

 

先日、久しぶりに六本木のアルビオンアートを訪れた際に、有川一三社長のご好意で、

ガラスよりも透明なダイヤモンドの逸品を拝見するチャンスに恵まれました。

宝石のレッスンでは、

「ダイヤモンドはインクルージョンがあることが本物の証拠」だと何度も学びましたが、

アルビオンアートさんの作品には一点の曇りもなく、

「きっとこのレベルのダイヤモンドをみるチャンスはそうありませんよ」と

氏はコメントなさっていました。

その時のダイヤモンドを彷彿させたのが、今回、展示されていたモナコ王妃グレース・ケリーのエメラルドカットのエンゲージメントリングです。はあ〜、ため息。

 

1928年にパティアラのマハラジャ、ブピンドラ・シン卿のためにスペシャルオーダーされ、

1998年にカルティエが買い戻したネックレスは圧巻です。色石の閃光に圧倒されましたが、

ただし、一番下の大きな黄色い医師はイエロージルコニア。

素晴らしい石のジュエリーは売られたり、形を変えられたりしてもとある状態でないことがほとんどです。

そのため、見つかった時にディビアス社のイエローダイヤモンド234、65カラットは失われていて、その代わりに

イエロージルコニアがつけられたのだそうです。

 

次回に続く〜