シャネルのデザイナーであり、写真家としても知られるカール・ラガーフェルド。70うんさいになった今も、その才能と気力で現役を務める天才です。私は、フランス在住時代に、雑誌「フラウ」でインタヴューしたことがありますが、2時間近くドイツ語訛りのフランス語でクリエーションやフランスの本宅や別荘にある錚々たるコレクションについて熱弁してくださったことを思い出します。数年前は、「ディオール・オム」の元デザイナー・エディ・スリマンの細身のスーツを着たいからと過激なスープダイエットを成功させてとってもスリムになったカール。幾つになっても、「やる気さえあれば叶わないことはない」ということを教えてくれるカリスマクチュリエです。
 
フランスを誇る世界遺産、ヴェルサイユは、ヨーロッパ王室の模範となった輝かしい豪奢なルイ14世の時代と革命で廃墟と化した18世紀末。そして、ナポレオンや王政復古によって再び火が灯された19世紀前半、と。光と影が交互に訪れた宮殿です。
まさしく、その光と影をカールの独自の視点で捉えたのが今回の展覧会です。
 
同じ写真でも焼く印画紙によって全く違って見える写真マジック。
そして、ヴェルサイユにこんな風景があるんだという驚きに満ちた展覧会。
無料というのもありがたい。
ぜひ、銀座によった際には訪れてみてください。
 
Versailles à l'ombre du soleil
カール・ラガーフェルド写真展
シャネル・ネクサス・ホール事業部 ☎︎03-3779-4001