5月13日のブログに、小池真理子さんの「神よ憐れみたまえ」を読み始めたと書きました
旅行にもっていくのを忘れて機内でヒマを持て余してしまったこともありますが
750ページにわたる長編とはいえ、読むのが遅い私は先日ようやく読み終えることができたのです




5月13日にもちょっと書きましたが、夫婦惨殺で始まるこの小説 推理小説のようでもありますが
黒沢百々子という女性の生きざまというか、ほぼ一生のことがドラマチックに創作されています

1963年11月9日に起こった国鉄鶴見事故や三井三池炭鉱の落盤事故と言う事実も登場させるなどリアル感満載
他にも、ケネディ銃撃、東京オリンピック、当時運行していた青函連絡船なども出てきて、
その頃を知る人には懐かしくリアルに感じられる小説なのです
ちなみに私は国鉄鶴見事故の記憶はなく、炭鉱の落盤事故は時々あったが三井三池炭鉱のそれだったかは記憶が怪しい
ケネディ銃撃、前の東京オリンピックはもちろん覚えていて、青函連絡船は乗ったことはないのですが知っています
仙台の名掛丁、青函連絡船のデッキの描写、函館山や立待岬に行く途中に石川啄木の墓があるとか、旅情感もあり
小池さんが育ってきた時代に合わせて作ったようで、自分来し方とも重なり面白く読ませていただいた

ストーリーは書きませんが、人間一生の間にはいろんなことが起きるものです
殺人事件に遭遇する人は少ないと思いますが、

人の一生の間には災害や事故、離婚や別れ、知人の死などさまざまなことがおきます

その昔放送された、幸せな家族を描いたホームドラマのような人生なんてない・・、たぶん

稀有な事件に巻き込まれた黒沢百々子という人の一生は、小池さんの一生に重ねたように思うし、
普通の誰かのことを小説に著したのかもしれない
還暦を過ぎ、アルツハイマーにかかりかけた百々子が語り始める終章は、

何となく小池さんが語り掛ける言葉のようにも聞こえてくるのです