自分が子供の頃、筍や蕗は買うものではありませんでした。
なぜなら、それらは実家の敷地内に勝手に生えてくるものだから。
季節になると出てくるので、まさに生えてくるのでした。
筍や蕗だけでなく、柿や栗、ぎんなん、くるみ、ざくろ、梅、柚子などいろいろありました。
他にも、酸っぱい”ぐみ”(最近売ってるグミではなく)や、”りっさ”という木の実、など
あの頃は買わなくても自然の恵みがたくさんありました。
ぐみ りっさ
りっさというのは福島の方言なのか?、正式名称ユスラウメというらしい。
ぐみは熟さないと、とっても酸っぱい。熟しても酸っぱい、か。
こういうのは、学校から帰ってきてからのお楽しみで、鳥に食われる前に食べないとなくなるものでした。
甘柿は小さく、少し渋かったりしましたが、ただで食べられる果物?でした。
こういうものは敷地内にあったので、小さい頃(ある程度大きくなっても)は買うものではないと思っていました。
ところが埼玉に来てからは、柿は買うしか(売っている甘柿は大きくて甘い)ないし、
筍や蕗は実家の親が生きていた頃は送ってもらったりしましたが、震災後は放射能のせいで
送ってもらうこともなくなりました。
昨日、春の恵みを食べたくなり、スーパーで筍と蕗を買ってきて、それぞれ下茹で。
鍋で炊いた筍ご飯。
お焦げが底にできて香ばしい。
そして、筍と蕗の煮物。
筍の食感と蕗のにがみが美味しい。春の味です。
筍はえぐみが残っていた方が懐かしい、かも。
昨日残った筍ご飯は、今日の昼におにぎりにして食べました。
次の日に食べるおにぎりは、C級グルメかもしれませんが
しっとりしたご飯に海苔の香りと筍と醤油がマッチして美味しい。