石原慎太郎の『「私」という男の生涯 』の文庫本で出た、とかいうのが
少し前の新聞の広告に載っていたので、読もうと思ったのですが
途中で読むのをやめるかもしれないと思い、図書館で単行本を借りてきました。


数々の不倫についても書いてあるせいか、本人と奥さんが亡くなってから
発刊してくれという本で、亡くなって半年くらいしてから出た本でした。

小さい時から晩年までにいたる石原慎太郎の自叙伝のようですが、
自叙伝というよりも、自慢伝という感じです(笑)。

小さい頃から恵まれた生活をしていたこと、やんちゃで悪さもし放題で金遣いの荒い裕次郎のこと、
趣味のヨット、五島昇などの財界人や三島由紀夫などの作家たちとのこと、政治家になってからは

青嵐会の血判状の件、東京都のディーゼル車規制の話など、いずれも自慢話ばかりでした。

裕次郎や奥さんなどの家族に対する愛情は感じられず、彼が出会った人に対する思いやりとか

やさしさを感じさせるエピソードもありません。

そういえばテレビかネットかで、次男の良純さんが「食事は子供たちとは一緒に食べない」とか

「子育てには興味がない」と言っていたのを思い出しました。

やっぱり変わった人ですね。
本の最終章になって死ぬとことはどういうことかという悩みのようなのはありますが、
一生を終えるにあたって、あの人には感謝したい、とかいう記述もありません。
多才で有能な人であることは認めますが、生前テレビでの記者会見のように、

常に上から目線のまま亡くなったようです。