宮本輝さんの本はいろいろ読みましたが、1年ちょっと前に読んだ長編「流転の海」に
続く「もうひとつの流転の海」を読んだ後、しばしお休み。
最近、新刊がないか探した末見つけたのが、この「灯台からの響き」。
板橋の中華そば屋の康平が亡き妻が本に挟んであった一枚のハガキから始まり、
灯台巡りの旅など、出だしは単調な話が続きますが、
最後に謎解き?が一気に進みますが、誰にでもあるような話でもあり、
ロマンあふれる本でもありました。
宮本さんの本は、宮本さん本人の体験がベースになって書かれた本が
多いのでは、と思っているのですがこの本は違うのかもしれません。
また、宮本さんの本では必ずといっていいように、いろんな所にいざなってくれます。
神戸や大阪は地元なので当然としても、住んだことのある伊予や北陸もあったし、
イタリアもありました。
この本では、灯台巡りとして千葉や愛知、三重、青森の灯台に始まり、
物語は島根県の日御碕灯台で締めくくる。
自分が行ったことがある灯台といえば、龍飛崎、鵜ノ尾埼、塩屋埼、
犬吠埼、野島埼などかなあ? 後は忘れました。
それと、この前行ったばかりの石廊崎灯台。
GPSがなかった頃、船は灯台が頼り。
ずいぶん前に犬吠埼だったかの民宿に泊まった夜、ずっとボー ボーという音がしていました。
何だろうと思いよく眠れませんでしたが、霧の夜の霧笛だったんですね。
日本に霧笛はもうなくなった、とか。
実は、この本に出てくる日御碕灯台にも4年ほど前に立ち寄ったことがありました。
出雲大社に行った後、出雲阿国の墓の横を通って稲佐の浜へ。
時間があったので、近くに灯台があるから行ってみよう、と。
当初の旅行計画にはなかったところです。
灯台の上には登りませんでしたが、存在感のある大きな灯台でした。
石造灯台としては日本一だとか。
周りの海も、リアス海岸のようにギザギザしてきれいでした。
灯台を見た後、レンタカーを停めていた駐車場へ。
途中には、この本にも出てくる飲食店・土産物店です。
この時観光客はほぼなし。
この後、近くにあった日御碕神社にも立ち寄り。
松林に埋もれるようにあった朱色の神社は、まるで竜宮城のようでもありました。
本を読んだ話から、旅行記のようになってしまったので、これにておしまい。