手元にある資料『山渓ハンディ図鑑1・野に咲く花』によると、ビロードモウズイカを漢字表記すると「天鵞絨毛蕊花」だそうです。しょっぱなからわけのわからん漢字が出てきますが、「天鵞絨」=ビロード、「毛蕊花」=モウズイカ、と区切っていただければよろしいかと。


「天鵞絨」は「てんがじゅう」と読むらしいのですが、「てんがじゅう」と入力しても漢字変換されません。「ビロード」でググって、ウィキだかどこかのページからコピペするしかありません。我々が一般的に「ビロード」と呼んでいるものは、「表面が毛を立たせたようになっている、なめらかでやわらかい織物」を指すそうで(『新選国語辞典第七版』小学館)、ポルトガル語で「veludo」と表記するようです。和製語「ビロード」はこの「veludo」に起因するのでしょう。この「ビロード」という語に、どのようにして「天鵞絨」という語が当てられたのかについては、さらに詳しく調べないと分かりませんが、「絨」という字は、「絨毯(じゅうたん)」に用いられているあたりから、おそらく織物の類であることを示しているのではないだろうか、と。そして、「天鵞」でググってみると、やたら中国関連の記事が並んだあたりから、<「天鵞」は何かの鳥の中華表記であり、ビロードのなめらかさが、その鳥の羽さざりに似ている>というあたりが推測できますね。・・・いや、詳細は調べないと分かりませんが。。。以上、蛇足。


ちなみに、そのなめらかやわらかっぷりが見られるのは、葉っぱのほうです。画像で見るとこんな感じ。


ラジオの時代、生物多様性の世紀



ラジオの時代、生物多様性の世紀


葉の表面に白い毛が多生しているのが分かります。なめらかやわらかっぷりは、実際にフィールドで探して触って感じてください。


そして、「毛蕊花」。こちらの語は、読んで字のごとく、です。「蕊(ずい)」とは、「しべ」のことです。おしべのことを「雄蕊(ゆうずい)」、めしべのことを「雌蕊(しずい)」とも呼びますので、この点から容易にイメージしていただきたく。つまり、「毛蕊花」とは、しべに毛が生えている花、であると。


通常、花は閉じ気味に咲いているのですが、それをこじ開けてみますと・・・


ラジオの時代、生物多様性の世紀



ラジオの時代、生物多様性の世紀



ラジオの時代、生物多様性の世紀



ラジオの時代、生物多様性の世紀



ラジオの時代、生物多様性の世紀


一番最後の画像から、しべの部分をトリミングしてみると、こんな感じ。


ラジオの時代、生物多様性の世紀


長くそびえる2本のしべは雌蕊です。その奥に見えるのが雄蕊で、白くて長い毛に覆われているのが分かります。ちなみに、『野に咲く花』には、和名の由来について「(前半略)雄しべの花糸に白い毛が多いことによる」とありますが、これのことだと思います。


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余談ですが、花の画像5枚のうち、上から4番目の画像を見ると、合弁花であることがよく分かります。こうやって開けてみると、なるほど、ビロードモウズイカもゴマノハグサ科であるという点が、納得できる気がします。