ビム・ベンダース 監督作品
2023年製作/124分/G/日本
配給:ビターズ・エンド
劇場公開日:2023年12月22日
解説:映画.comより
「パリ、テキサス」「ベルリン・天使の詩」などで知られるドイツの名匠ビム・ベンダースが、役所広司を主演に迎え、東京・渋谷を舞台にトイレの清掃員の男が送る日々の小さな揺らぎを描いたドラマ。2023年・第76回カンヌ国際映画祭コンペティション部門に出品され、役所が日本人俳優としては「誰も知らない」の柳楽優弥以来19年ぶり2人目となる男優賞を受賞した。
東京・渋谷でトイレの清掃員として働く平山。淡々とした同じ毎日を繰り返しているようにみえるが、彼にとって日々は常に新鮮な小さな喜びに満ちている。昔から聴き続けている音楽と、休日のたびに買う古本の文庫を読むことが楽しみであり、人生は風に揺れる木のようでもあった。そして木が好きな平山は、いつも小さなフィルムカメラを持ち歩き、自身を重ねるかのように木々の写真を撮っていた。そんなある日、思いがけない再会を果たしたことをきっかけに、彼の過去に少しずつ光が当たっていく。
東京・渋谷区内17カ所の公共トイレを、世界的な建築家やクリエイターが改修する「THE TOKYO TOILET プロジェクト」に賛同したベンダースが、東京、渋谷の街、そして同プロジェクトで改修された公共トイレを舞台に描いた。共演に新人・中野有紗のほか、田中泯、柄本時生、石川さゆり、三浦友和ら。カンヌ国際映画祭では男優賞とあわせ、キリスト教関連の団体から、人間の内面を豊かに描いた作品に贈られるエキュメニカル審査員賞も受賞した。
******ココまで******
2024年もただ酒を飲み、映画を貪って生きる年でありますように。
今年もよろしくお願いいたします。
そう遠くない昔までは
読書が大好きで、だいたい単行本が2,3冊は鞄に入っていて、
隙間時間ができるたびに読書をしていたんだけれど、
目が悪くなってからというもの、
眼鏡をして本を読むと、もの凄く疲れてしまい、最近はとんと、読書から遠ざかっているんだけれど、
この作品は、観終わった後、読了した時の満足感にも似た感じがあった。
それというのも
この作品の面白いところが、
ストーリーとか迫力とか、力業で面白くさせているのではなく、
本でいうなら、行間にある面白さを楽しんでいるかのように、映画に没頭できたことだと思う。
さえない中年男性の毎日が綴られていくのだけれど、
作品を観ていくと、この男性の「今」を観ていくことで、
過去が見えてきて、
そのまた過去に何があったかが繋がっていく。
全編を通じて、
観取れるのは、喜怒哀楽。
けっして派手ではなく、内面からあふれ出す感じ。
それがこの映画を面白くしてるんだろうと思う。
何も考えず、
画面だけを観て楽しみたい派には不向きだと言えるのかも。
けれど、
何も考えず、
画面からあふれ出す喜怒哀楽を楽しんでみたいなら、
ぜひ映画館で鑑賞するべき作品。
決して
ミサイルが飛んできたり
ヒーローが変身することのない作品からあふれ出す、
人間感は本当に面白かった。
というわけで
今日はココまでバイバイ