加藤肇 監督作品
旅行ではない「旅」
いつの間にか、旅をしなくなった自分と照らし合わせて観ていたら
自然と涙が溢れだした。
それは、羨ましさや憧れ、出会ってきた人や時間が急に押し寄せてきた瞬間だった。
音楽と酒。
イベントやる時には、2大問題のこのふたつ。
音楽と酒。
そこで繋がるのは、人。
音楽と人
酒と人
ナオトが観たアフリカの世界感と僕の観たヨーロッパの世界感。
シンクロするものは、
そう多くないのかもしれないけれど、
映画を観ている間は、僕はカレの「眼」を通して、
自分が、大すきだった旅の景色を思い出した。
毎日、毎日、
仕事に追われ、いつの間にか小さく小さく縮んでしまった自分。
いつの間にか、空をゆっくり観る事が無くなった自分。
ひとりで、日本語の無い世界の中で、どうすれば自分を表現できるか悩んだあの頃。
出会った、人人人人
景色・・・空気・・・音・・・
全ての事は、今からでも頑張ればもう一度、その全てに触れる事が出来るはず。
映画は時に、攻撃的に僕を襲ってくる。
観ていて、苦しくなったり、悲しくなったり・・・・
本作の中でも、胸が苦しくなるシーンがあった。
それよりも、いろんなことに「慣れた」自分を考えさせられた。
ナオト・インティライミ
ファンはもとより、
旅好き。
音楽好き。
アフリカ好き。
そして、人間が好きな全ての人に観て欲しい作品。
本作は前編。
後編が楽しみで仕方ない。