小学生の頃に映画館で『ラビリンス/魔王の迷宮』を観て感動した記憶がありますが、これも観ていたら同様に興奮したことでしょう。子ども心をくすぐる冒険譚で、1984年の映画とはいえ映像がけっこうリアルですから。
ストーリーの概略としては…。
本好きの主人公バスチアン(バレット・オリバー)はいじめっ子から逃れるため駈込んだ部屋で、奇妙な老人から一冊の本をもらいます。
彼は授業をサボって学校の倉庫のような部屋で独り本を読み耽るという幸せな時間を過ごします。
しかしその本は読み進めるうちに妙な臨場感を帯びてきて、まるで自分が物語の世界に住んでいるような錯覚をもたらし始めます。彼にとって本とは一時の現実逃避の手段だったのに、この特別な本は、まさに“現実”として彼の前に輪郭を現し始めたのです。
物語の主人公アトレーユ(ノア・ハザウェイ)は、姫(タミー・ストロナッハ)とファンタージエン国を“虚無”の魔の手から守るため、たった一人で旅に出ます(ロックバイターとかといっしょに行くと思ってたのに意外でした)。
馬を失い、太古の亀モーラに会うも邪険にあしらわれ、竜のファルコンに助けられるも虚無に襲われ、結局世界の大半はその存在を失います。姫と世界を救うには、人間が姫に新たな名前を付ける必要がある、その人間とは…。
バスチアンは混乱しながらも、この物語がフィクションでない事を受け入れ、姫に名を授けます。
そして現実世界にファルコンを連れ出し、自分をいじめた連中に仕返しをしてハッピーエンド…。
というもの。
制作の裏話として、この物語の原作『果てしない物語』を書いたミヒャエル・エンデはこの映画に抗議して裁判まで起こしました。
エンデの要望としては、監督は黒澤明に任せ、役者は皆ドイツ人で揃え、しかし姫君だけは日本の白装束を着た少女とし、なおかつファルコンを神秘的で荘厳な竜とすることでした。
もちろん映画を観れば分かるように、その要望はことごとく実現していません。
さらにエンデは、バスチアンがいじめっ子に仕返しをするラストシーンに納得がいかず、ついには裁判沙汰にまでなったという事です。
何だか『グラン・ブルー』を彷彿とさせる裏話ですが、子どもたちに夢を与えるファンタジー映画の裏に大人のイザコザがあるというのは、悲しい事ですね。
とてもいい映画だっただけに、なおさらそう思います。
それにしてもノア・ハザウェイが美少年過ぎます。
きっと女性にも男性にも(!?)モテたでしょうね。