タンパク質 その9
久々の更新。
たんぱく質の話も今回で最後です。と言っても、ほとんどの部分は8回までに終わってしまっているので、今回の話はおまけ。
お気楽にどうぞ。(^_^)
★ ★ ★
老人の食生活の内容によって、次の4つのグループに分けた追跡調査の報告があります。
1.納豆や豆腐は食べるが、肉・魚・乳製品はいっさいとらない
2.菜食中心だが、卵や乳製品は食べる
3.肉や魚を週に1~2回は食べる
4.肉や魚を週に3~4回は食べる
さて、1~4の中で、最も長生きだったグループは何番でしょう?
答えは4。
最も短命だったのは1のグループで、70歳前後で次々に亡くなったそうです。
死因のほとんどは脳卒中または肺炎です。
たんぱく質を大豆製品のみに頼ると、たんぱく質の質・量の面で不足が起こりがちになります。
さらに、「リノール酸」の摂取量が多くなります。
このリノール酸は、血中コレステロールを下げる働きがあるのですが、コレステロールは細胞膜の主成分なので、減りすぎると細胞がもろくなってしまうのです。
現代では動物性食品(の脂)の摂りすぎの問題が大きくなりすぎて、健康のためには動物性食品は避けるべきだ、昔の日本の食卓へ戻れと主張する人も多いのですが、実は日本人の寿命が伸びたのは、動物性食品の摂取量が増えた頃からなのですね。
動物性食品は、カラダにとって、決して悪者となるものではありません。
脂の多い点には気をつけなければなりませんが、脂の少ない部分を選んだり、調理法を工夫したりすればいいのです。
もちろん、食べ過ぎたり、肉ばかり偏食したりしないようにすることも大切。
また、生活習慣病の心配を通り過ぎてしまった年代の人は、むしろしっかりと動物性食品を摂って、ぜひ長生きしていただきたいと思います。
タンパク質 その8
【タンパク質と消化】
生のタンパク質と、加熱されたタンパク質では、どちらが消化がよいと思いますか?
答えは、「加熱されたタンパク質」です。
「タンパク質は生で摂るべき!」とする主張も世にあるようですが、これは間違い。
「加熱しては、せっかくのタンパク質が変性してしまう!」というのがその理由らしいのですが、これは、言葉のイメージから「変性」を悪く取り違えているのだと思われます。
タンパク質が消化・吸収されるためには、消化酵素の作用を受けてアミノ酸にまで分解されなくてはなりません。
タンパク質というのは、アミノ酸が糸のようにつながって、このアミノ酸の糸がクシャクシャっと折りたたまれて、マリのように丸まったような形をしています。
このままの形では、酵素がアミノ酸のつながりを切ろうとしてもうまくいきません。
そこで、タンパク質を酵素で分解しようとするときは、「胃酸」という強力な酸で「糸が折りたたまれたマリ状の形」を糸の形までほぐすのです。
この、「糸が折りたたまれたマリ状の形」がほぐれた状態になることを、「変性」と言っているのです。
実際は胃酸だけで全てのタンパク質を変性させることは難しいのですが、加熱は、前もってこの「変性」を済ませておいてくれるわけですから、生のタンパク質よりも加熱されて変性したタンパク質の方が消化がよいのです。
タンパク質の消化の良し悪しは、アレルギー防止の観点からも重要です。
食物アレルギーの原因は、「未消化のタンパク質」だからです。
普通、アミノ酸まで分解できなかったタンパク質は吸収されることはないのですが、まれにタンパク質の形のままで吸収されてしまうことがあり、これがアレルギー反応の原因となるのです。
例えば大豆は確かに優れた健康食品ですが、「体によいから」といって毎日大量に食べていれば、「大豆アレルギー」になる危険もないとは言えません。
一度アレルギーになってしまったら、大豆や豆腐のみならず、味噌もしょうゆも使えなくなってしまうのですから、これはかなり大変なことです。
食べ物に関しては、どんなに体によいものでも、体にとって「危険な側面」を必ず持っています。
「継続して、大量に、そればかりを」摂ればそれだけ危険が大きくなります。
「毎日変化をつけて、少しずつ、いろいろなものを」摂ることが、栄養面でも安全面でも優れた食生活のスタイルと言えるでしょう。
つまり、タンパク質を摂り方としては、
■加熱したタンパク質を、
■適量、
■よく噛んで食べること
そして、
■同じものばかり続けて大量に食べないこと
ということがポイントとなります。
◆つづく◆
生のタンパク質と、加熱されたタンパク質では、どちらが消化がよいと思いますか?
答えは、「加熱されたタンパク質」です。
「タンパク質は生で摂るべき!」とする主張も世にあるようですが、これは間違い。
「加熱しては、せっかくのタンパク質が変性してしまう!」というのがその理由らしいのですが、これは、言葉のイメージから「変性」を悪く取り違えているのだと思われます。
タンパク質が消化・吸収されるためには、消化酵素の作用を受けてアミノ酸にまで分解されなくてはなりません。
タンパク質というのは、アミノ酸が糸のようにつながって、このアミノ酸の糸がクシャクシャっと折りたたまれて、マリのように丸まったような形をしています。
このままの形では、酵素がアミノ酸のつながりを切ろうとしてもうまくいきません。
そこで、タンパク質を酵素で分解しようとするときは、「胃酸」という強力な酸で「糸が折りたたまれたマリ状の形」を糸の形までほぐすのです。
この、「糸が折りたたまれたマリ状の形」がほぐれた状態になることを、「変性」と言っているのです。
実際は胃酸だけで全てのタンパク質を変性させることは難しいのですが、加熱は、前もってこの「変性」を済ませておいてくれるわけですから、生のタンパク質よりも加熱されて変性したタンパク質の方が消化がよいのです。
タンパク質の消化の良し悪しは、アレルギー防止の観点からも重要です。
食物アレルギーの原因は、「未消化のタンパク質」だからです。
普通、アミノ酸まで分解できなかったタンパク質は吸収されることはないのですが、まれにタンパク質の形のままで吸収されてしまうことがあり、これがアレルギー反応の原因となるのです。
例えば大豆は確かに優れた健康食品ですが、「体によいから」といって毎日大量に食べていれば、「大豆アレルギー」になる危険もないとは言えません。
一度アレルギーになってしまったら、大豆や豆腐のみならず、味噌もしょうゆも使えなくなってしまうのですから、これはかなり大変なことです。
食べ物に関しては、どんなに体によいものでも、体にとって「危険な側面」を必ず持っています。
「継続して、大量に、そればかりを」摂ればそれだけ危険が大きくなります。
「毎日変化をつけて、少しずつ、いろいろなものを」摂ることが、栄養面でも安全面でも優れた食生活のスタイルと言えるでしょう。
つまり、タンパク質を摂り方としては、
■加熱したタンパク質を、
■適量、
■よく噛んで食べること
そして、
■同じものばかり続けて大量に食べないこと
ということがポイントとなります。
◆つづく◆
タンパク質 その7
【7】タンパク質と脂肪
タンパク源として中心的な役割を持つ食品は、肉、魚介類、大豆・大豆製品です。
これらの食品は、どれもタンパク質を多く含み、タンパク質の質もよいので、ここから好きな食べ物だけを選んでタンパク質を摂ってもいいような気がします。
けれども、肉、魚介類、大豆・大豆製品は、タンパク質源であると同時に、油脂も多い食品です。
そして、肉、魚介類、大豆・大豆製品がもつ油脂は、それぞれタイプが違うのです。
今回はタンパク質についての話なので詳細は省きますが、この3つタイプの油脂はどれかに偏らずに全てを摂ったほうがよいのです。
つまり、タンパク質もこれらから分散して摂るべきであるということになります。
また、卵も優秀なタンパク質源ですが、コレステロールが多いことを気にする方もいるかもしれません。
確かに、卵黄にはコレステロールが多く含まれています。
(卵白には含まれません。)
けれども、卵黄にはコレステロールの排出を助けるレシチンも同時に含まれています。
食品からのコレステロールの影響を受けやすい人(このような方は、若いうちからコレステロール値が高いです)は避ける必要がありますが、普通の人は1日1個程度の卵は血中コレステロールには影響しませんので、安心して食べて大丈夫です。
今現在、血中コレステロール値が高い人は週に3個くらいまでにしましょう。
卵は生で食べると白身に含まれているアビジンという成分がビオチン(ビタミンH)の吸収を阻害してしまうので、少なくとも白身は過熱して食べたほうがよいでしょう。
(ビオチンが欠乏すると、口やまぶたに炎症がおきたり、ニキビ、貧血、うつ症状、抜け毛、血糖値の上昇、不眠症、筋肉痛、吐き気などを誘発します)
(※コレステロールについての補足:食品中のコレステロールが血中コレステロールに全く影響を与えないわけではありませんが、食品中のコレステロールよりも動物性油脂の方が影響は大きいのです。
盲点となりやすいのが乳製品に含まれる脂肪です。
乳製品は優秀なカルシウム源なので、ぜひ摂りたい食品なのですが、乳脂肪はコレステロールを上げやすい脂肪なのです。
コレステロールの気になる方は、牛乳やヨーグルトは低脂肪のものを選び、バターやクリームの多い洋菓子は避けましょう。
また、肉は脂身の少ない部分を選んで少量にし、魚は油の多い青魚を選んで食べるようにしましょう。)
このほか、タンパク質の質は落ちますが、米、麦、じゃが芋などの穀類・イモ類もタンパク質源となります。
穀類は、一度に食べる量が多いので、含有量の割にはタンパク質の摂取量も多くなります。
また、質の悪さは良質のタンパク質源と一緒に摂ることでカバーできますから、こうした植物性食品と、動物性食品を組み合わせて摂れば油脂の摂りすぎを抑えつつ、質のよいタンパク質を必要量摂ることができるのです。
◆つづく◆
タンパク源として中心的な役割を持つ食品は、肉、魚介類、大豆・大豆製品です。
これらの食品は、どれもタンパク質を多く含み、タンパク質の質もよいので、ここから好きな食べ物だけを選んでタンパク質を摂ってもいいような気がします。
けれども、肉、魚介類、大豆・大豆製品は、タンパク質源であると同時に、油脂も多い食品です。
そして、肉、魚介類、大豆・大豆製品がもつ油脂は、それぞれタイプが違うのです。
今回はタンパク質についての話なので詳細は省きますが、この3つタイプの油脂はどれかに偏らずに全てを摂ったほうがよいのです。
つまり、タンパク質もこれらから分散して摂るべきであるということになります。
また、卵も優秀なタンパク質源ですが、コレステロールが多いことを気にする方もいるかもしれません。
確かに、卵黄にはコレステロールが多く含まれています。
(卵白には含まれません。)
けれども、卵黄にはコレステロールの排出を助けるレシチンも同時に含まれています。
食品からのコレステロールの影響を受けやすい人(このような方は、若いうちからコレステロール値が高いです)は避ける必要がありますが、普通の人は1日1個程度の卵は血中コレステロールには影響しませんので、安心して食べて大丈夫です。
今現在、血中コレステロール値が高い人は週に3個くらいまでにしましょう。
卵は生で食べると白身に含まれているアビジンという成分がビオチン(ビタミンH)の吸収を阻害してしまうので、少なくとも白身は過熱して食べたほうがよいでしょう。
(ビオチンが欠乏すると、口やまぶたに炎症がおきたり、ニキビ、貧血、うつ症状、抜け毛、血糖値の上昇、不眠症、筋肉痛、吐き気などを誘発します)
(※コレステロールについての補足:食品中のコレステロールが血中コレステロールに全く影響を与えないわけではありませんが、食品中のコレステロールよりも動物性油脂の方が影響は大きいのです。
盲点となりやすいのが乳製品に含まれる脂肪です。
乳製品は優秀なカルシウム源なので、ぜひ摂りたい食品なのですが、乳脂肪はコレステロールを上げやすい脂肪なのです。
コレステロールの気になる方は、牛乳やヨーグルトは低脂肪のものを選び、バターやクリームの多い洋菓子は避けましょう。
また、肉は脂身の少ない部分を選んで少量にし、魚は油の多い青魚を選んで食べるようにしましょう。)
このほか、タンパク質の質は落ちますが、米、麦、じゃが芋などの穀類・イモ類もタンパク質源となります。
穀類は、一度に食べる量が多いので、含有量の割にはタンパク質の摂取量も多くなります。
また、質の悪さは良質のタンパク質源と一緒に摂ることでカバーできますから、こうした植物性食品と、動物性食品を組み合わせて摂れば油脂の摂りすぎを抑えつつ、質のよいタンパク質を必要量摂ることができるのです。
◆つづく◆
タンパク質 その6
【6】どれくらい食べればいい?
必要不可欠なタンパク質といえども、摂りすぎれば余った分は「糖」に作りかえられ、最終的には「脂肪」まで変化してしまうことになりますから、やはり「適量」を摂ることが大切です。
一般の成人の1日のタンパク質所要量は、体重1Kgあたり1.08gとされています。
(運動選手などの場合は、運動強度によって必要量が変わってきます。)
つまり、体重50Kgの人なら、
1.08×50= 54gで
毎日54gのタンパク質を食事から摂ればいいことになります。
ちなみに、『第六次改定日本人の栄養所要量』では、
「特定の年齢層や性別集団のほとんどの人(97~98%)が1日の必要量を満たすのに十分な摂取量」として、次の数値が示されています。
男 性 女 性
15~17歳 80g 15~17歳 65g
18~29歳 70g 18~29歳 55g
30~49歳 70g 30~49歳 55g
50~ 65g 50~ 55g
さて、タンパク質55gだとか70gだとか言われても、実際に何をどれくらい食べればいいのか、見当がつきませんよね?
そこで、食品のグループ別に、タンパク質平均含有量 をご紹介します。
【主な食品のタンパク質平均含有量】
※あくまで【平均】含有量です。
☆穀物、いも、炭水化物の多い野菜と種実、大豆を除く豆
⇒1単位あたりタンパク質平均含有量 2g
【1単位量】
ごはん :小さい茶碗軽く半杯
食パン :6枚切 1/2枚
うどん :1/3玉
スパゲティ(乾) :20g
じゃがいも :中1個
とうもろこし :中1/2本
西洋かぼちゃ :小1/8個
そら豆 :15~20粒
☆魚介、肉、卵、チーズ、大豆・大豆製品
⇒1単位あたりタンパク質平均含有量 9g
【1単位量】
脂質の少ない魚 :80~100g
きす、たら、ふぐ、あゆ、かれい、ひらめなど
脂質のやや多い魚:60g
あじ、かじき、かんぱち、きんめだい、さけ、ほっけ、まぐろ(赤身)、ますなど
脂質の多い魚 :40g
あなご、いわし、かつお、ぎんだら、さば、さわら、うなぎ、さんま、ぶり、まぐろ(とろ)など
肉類 :30~40g
豚ヒレ、豚・鶏もも、レバー:60g
ささみ、鶏むね :80g
卵 :1個
チーズ :20g
☆乳・乳製品(チーズ除く)
⇒1単位あたりタンパク質平均含有量 4g
【1単位量】
牛乳 :120ml
ヨーグルト :120g
(脱脂加糖または全脂無糖)
※『1単位』というのは、80kcal分の分量です。
1単位あたりの分量を覚えておくと、カロリー計算が簡単にできます。
もっといろいろな食品の1単位分量を知りたい方は、食品交換表(日本糖尿病学会編集)を
参考にして下さい。カラー写真で目安量がわかりやすいです。
こうした数字を目安に必要な分のタンパク質がとれるように食品を選んでいくわけですが、「とにかくなんでもいいからタンパク質の合計が一日必要量になればいい」というわけではありません。
というのは、タンパク源となる食品は、同時に、脂質源となる食品でもあるからです。
◆つづく◆
必要不可欠なタンパク質といえども、摂りすぎれば余った分は「糖」に作りかえられ、最終的には「脂肪」まで変化してしまうことになりますから、やはり「適量」を摂ることが大切です。
一般の成人の1日のタンパク質所要量は、体重1Kgあたり1.08gとされています。
(運動選手などの場合は、運動強度によって必要量が変わってきます。)
つまり、体重50Kgの人なら、
1.08×50= 54gで
毎日54gのタンパク質を食事から摂ればいいことになります。
ちなみに、『第六次改定日本人の栄養所要量』では、
「特定の年齢層や性別集団のほとんどの人(97~98%)が1日の必要量を満たすのに十分な摂取量」として、次の数値が示されています。
男 性 女 性
15~17歳 80g 15~17歳 65g
18~29歳 70g 18~29歳 55g
30~49歳 70g 30~49歳 55g
50~ 65g 50~ 55g
さて、タンパク質55gだとか70gだとか言われても、実際に何をどれくらい食べればいいのか、見当がつきませんよね?
そこで、食品のグループ別に、タンパク質平均含有量 をご紹介します。
【主な食品のタンパク質平均含有量】
※あくまで【平均】含有量です。
☆穀物、いも、炭水化物の多い野菜と種実、大豆を除く豆
⇒1単位あたりタンパク質平均含有量 2g
【1単位量】
ごはん :小さい茶碗軽く半杯
食パン :6枚切 1/2枚
うどん :1/3玉
スパゲティ(乾) :20g
じゃがいも :中1個
とうもろこし :中1/2本
西洋かぼちゃ :小1/8個
そら豆 :15~20粒
☆魚介、肉、卵、チーズ、大豆・大豆製品
⇒1単位あたりタンパク質平均含有量 9g
【1単位量】
脂質の少ない魚 :80~100g
きす、たら、ふぐ、あゆ、かれい、ひらめなど
脂質のやや多い魚:60g
あじ、かじき、かんぱち、きんめだい、さけ、ほっけ、まぐろ(赤身)、ますなど
脂質の多い魚 :40g
あなご、いわし、かつお、ぎんだら、さば、さわら、うなぎ、さんま、ぶり、まぐろ(とろ)など
肉類 :30~40g
豚ヒレ、豚・鶏もも、レバー:60g
ささみ、鶏むね :80g
卵 :1個
チーズ :20g
☆乳・乳製品(チーズ除く)
⇒1単位あたりタンパク質平均含有量 4g
【1単位量】
牛乳 :120ml
ヨーグルト :120g
(脱脂加糖または全脂無糖)
※『1単位』というのは、80kcal分の分量です。
1単位あたりの分量を覚えておくと、カロリー計算が簡単にできます。
もっといろいろな食品の1単位分量を知りたい方は、食品交換表(日本糖尿病学会編集)を
参考にして下さい。カラー写真で目安量がわかりやすいです。
こうした数字を目安に必要な分のタンパク質がとれるように食品を選んでいくわけですが、「とにかくなんでもいいからタンパク質の合計が一日必要量になればいい」というわけではありません。
というのは、タンパク源となる食品は、同時に、脂質源となる食品でもあるからです。
◆つづく◆
タンパク質 その5
【5】タンパク質は生まれ変わる
身体的な成長が止まり、一見変化のないように見える大人のカラダ。
実は、毎日相当量のタンパク質の合成と分解が行われているのです。
まず、古くなった細胞はどんどん分解されます。
酵素やホルモンも、役目を終えれば速やかに分解されます。
また、カラダの中の「糖」が足りなくなった時にも、タンパク質が分解されます。
ある種のアミノ酸から、糖を合成することができるからです。
「糖」は脳や心臓の大切なエネルギー源です。
「糖」が不足し始めると、筋肉のタンパク質がどんどん分解されて、そこでできたアミノ酸から糖を作り出しています。
ですから「食べないダイエット」では筋肉がどんどん減っていきます。
その結果、基礎代謝量が減ってしまい、やせにくく、太りやすい体質に変わっていってしまいます。
運動は、タンパク質の分解と合成の両方にかかわってきます。
運動中は、エネルギー確保のために筋肉のタンパク質は分解され、運動後、主に睡眠中に合成が進みます。
ちなみに「筋肉を作れ!」という信号は、一定の強度の運動をしたときだけに出るので、運動をしないかぎり、いくらアミノ酸を摂っても筋肉が作られることはありません。
タンパク質の合成には大量のエネルギーが消費されるので、常時運動して筋肉の分解・合成が活発な人は太りにくいのです。
このようにタンパク質が分解してできたアミノ酸は、再びタンパク質の合成に回されます。
つまり、アミノ酸は体内でリサイクルされているのです。
タンパク質量が少ない食事が少々続いても、急激に体調が悪くなるようなことがないのはこのためです。
が、いくらリサイクルされていると言えども、一部はアミノ酸のまま燃焼したり、「糖」に作りかえられたりするので、足りなくなった分は食べ物から補給してやらなければなりません。
それでは、1日どれくらいのタンパク質を摂ればよいのでしょうか?
◆つづく◆
身体的な成長が止まり、一見変化のないように見える大人のカラダ。
実は、毎日相当量のタンパク質の合成と分解が行われているのです。
まず、古くなった細胞はどんどん分解されます。
酵素やホルモンも、役目を終えれば速やかに分解されます。
また、カラダの中の「糖」が足りなくなった時にも、タンパク質が分解されます。
ある種のアミノ酸から、糖を合成することができるからです。
「糖」は脳や心臓の大切なエネルギー源です。
「糖」が不足し始めると、筋肉のタンパク質がどんどん分解されて、そこでできたアミノ酸から糖を作り出しています。
ですから「食べないダイエット」では筋肉がどんどん減っていきます。
その結果、基礎代謝量が減ってしまい、やせにくく、太りやすい体質に変わっていってしまいます。
運動は、タンパク質の分解と合成の両方にかかわってきます。
運動中は、エネルギー確保のために筋肉のタンパク質は分解され、運動後、主に睡眠中に合成が進みます。
ちなみに「筋肉を作れ!」という信号は、一定の強度の運動をしたときだけに出るので、運動をしないかぎり、いくらアミノ酸を摂っても筋肉が作られることはありません。
タンパク質の合成には大量のエネルギーが消費されるので、常時運動して筋肉の分解・合成が活発な人は太りにくいのです。
このようにタンパク質が分解してできたアミノ酸は、再びタンパク質の合成に回されます。
つまり、アミノ酸は体内でリサイクルされているのです。
タンパク質量が少ない食事が少々続いても、急激に体調が悪くなるようなことがないのはこのためです。
が、いくらリサイクルされていると言えども、一部はアミノ酸のまま燃焼したり、「糖」に作りかえられたりするので、足りなくなった分は食べ物から補給してやらなければなりません。
それでは、1日どれくらいのタンパク質を摂ればよいのでしょうか?
◆つづく◆
タンパク質 その4
【4】 アミノ酸スコア
ある食品の中の9種類の必須アミノ酸それぞれに、人間にとっての理想の量を100として点数をつけたとき、一番点数の低かった必須アミノ酸の点数がその食品のアミノ酸スコアとなります。
《例》
9種類の必須アミノ酸をA~Iとして、理想量に対する割合でそれぞれに点数をつけたとき、次のようになったとします。
【食品a】 【食品b】
A110 A130
B120 B120
※C 65 C120
D140 ※D 70
E160 E160
F 90 F100
G150 G140
H130 H110
I105 I 80
食品aとbそれぞれについて、※印のついた必須アミノ酸が一番点数が低いので、食品aのアミノ酸スコアは65、食品bのアミノ酸スコアは70となります。
つまり、食品aとbを比べたときには、アミノ酸スコアの高い食品bの方がより良質なタンパク質を持っていると言うことができます。
ただし、もし食品aとbを「一緒に」食べるとなると、話が変わってきます。
食品aで一番点数の低かった必須アミノ酸Cは、食品bでは120点。
反対に、食品bで一番点数の低かった必須アミノ酸Dは、食品aでは140点。
必須アミノ酸FやIも片方の食品では100点に足りませんが、もう一方の食品では100点以上なので、食品a、b同時に食べたときのタンパク質のアミノ酸スコアは100となります。
実際には、もうすこし考えに入れなければならない条件があるので、これほど単純な計算にはなりませんが、とにかく覚えておきたいのは、
種類の違うタンパク質は、お互いに補い合って質を上げることができる
ということ。
たとえば、比較的リジンが少ない 米や小麦などの穀類と、リジンの豊富な卵、牛乳、肉類、大豆製品などの組み合わせはアミノ酸スコアを上げてくれます。
【例】 ※数字はアミノ酸スコア
◇ご飯 ⇒ 65
◇ご飯+豆腐の味噌汁 ⇒ 77
◇パン ⇒ 44
◇パン+卵 ⇒76
◇パン+牛乳 ⇒ 82
食品を個別に見た場合、 全般に、動物性食品はアミノ酸スコアが高く、植物性食品は低いです。
「質」ではなく「量」を比べてみても、動物性食品の方が植物性食品よりもタンパク質を断然多く含んでいますから、タンパク質に関して言えば、質・量ともに動物性食品の圧勝です。
もちろん、植物性食品もうまく組み合わせればアミノ酸スコアを上げることができますが、もともとのタンパク質含有量が少ないですから、必要なタンパク質を全て植物性食品から摂ろうと思うと、大量の穀類などを食べなくてはならず、かえってエネルギーオーバーになってしまうこともあります。
一方、動物性食品にはタンパク質だけでなく「脂」も多く、動物性食品だけにタンパク質摂取を頼ることは、脂の摂りすぎにつながります。
つまり、動物性食品と、植物性食品(主に穀類や豆類)を組み合わせて摂るのが、効率・バランスのよい食事となるのですね。
◆つづく◆
ある食品の中の9種類の必須アミノ酸それぞれに、人間にとっての理想の量を100として点数をつけたとき、一番点数の低かった必須アミノ酸の点数がその食品のアミノ酸スコアとなります。
《例》
9種類の必須アミノ酸をA~Iとして、理想量に対する割合でそれぞれに点数をつけたとき、次のようになったとします。
【食品a】 【食品b】
A110 A130
B120 B120
※C 65 C120
D140 ※D 70
E160 E160
F 90 F100
G150 G140
H130 H110
I105 I 80
食品aとbそれぞれについて、※印のついた必須アミノ酸が一番点数が低いので、食品aのアミノ酸スコアは65、食品bのアミノ酸スコアは70となります。
つまり、食品aとbを比べたときには、アミノ酸スコアの高い食品bの方がより良質なタンパク質を持っていると言うことができます。
ただし、もし食品aとbを「一緒に」食べるとなると、話が変わってきます。
食品aで一番点数の低かった必須アミノ酸Cは、食品bでは120点。
反対に、食品bで一番点数の低かった必須アミノ酸Dは、食品aでは140点。
必須アミノ酸FやIも片方の食品では100点に足りませんが、もう一方の食品では100点以上なので、食品a、b同時に食べたときのタンパク質のアミノ酸スコアは100となります。
実際には、もうすこし考えに入れなければならない条件があるので、これほど単純な計算にはなりませんが、とにかく覚えておきたいのは、
種類の違うタンパク質は、お互いに補い合って質を上げることができる
ということ。
たとえば、比較的リジンが少ない 米や小麦などの穀類と、リジンの豊富な卵、牛乳、肉類、大豆製品などの組み合わせはアミノ酸スコアを上げてくれます。
【例】 ※数字はアミノ酸スコア
◇ご飯 ⇒ 65
◇ご飯+豆腐の味噌汁 ⇒ 77
◇パン ⇒ 44
◇パン+卵 ⇒76
◇パン+牛乳 ⇒ 82
食品を個別に見た場合、 全般に、動物性食品はアミノ酸スコアが高く、植物性食品は低いです。
「質」ではなく「量」を比べてみても、動物性食品の方が植物性食品よりもタンパク質を断然多く含んでいますから、タンパク質に関して言えば、質・量ともに動物性食品の圧勝です。
もちろん、植物性食品もうまく組み合わせればアミノ酸スコアを上げることができますが、もともとのタンパク質含有量が少ないですから、必要なタンパク質を全て植物性食品から摂ろうと思うと、大量の穀類などを食べなくてはならず、かえってエネルギーオーバーになってしまうこともあります。
一方、動物性食品にはタンパク質だけでなく「脂」も多く、動物性食品だけにタンパク質摂取を頼ることは、脂の摂りすぎにつながります。
つまり、動物性食品と、植物性食品(主に穀類や豆類)を組み合わせて摂るのが、効率・バランスのよい食事となるのですね。
◆つづく◆
タンパク質 その3
【3】 タンパク質とアミノ酸
さて、こうしたカラダの中のさまざまなタンパク質は、約20種類のアミノ酸から構成されています。
約20種類のアミノ酸の組み合わせによって、できたタンパク質の働きが決まるのです。
(このアミノ酸の組み合わせの設計図が遺伝子DNAです。)
この20種類のアミノ酸のうち、体内で合成できないために食事から摂る必要のある9種類のアミノ酸を「必須アミノ酸」といいます。
●必須アミノ酸●
トリプトファン、メチオニン、リジン、フェニルアラニン、
ロイシン、イソロイシン、バリン、スレオニン、ヒスチジン
これら9種類の「必須アミノ酸」のうち、どれか一つが欠けただけでも遺伝子の持つ設計図通りのタンパク質を作ることが不可能になってしまいます。
設計図通りのタンパク質が作れないということは、つまり、生命活動を司る酵素がきちんと作られないということ。
必要な酵素が必要なときに作られないとどうなるか?
当然、
体内のさまざまな代謝がうまくいかない!
…ということが起こります。
この9種類の必須アミノ酸が、人間にとっての理想量に対してどれだけ含まれているのかが、食品中のタンパク質の質の良し悪しを判断する基準となります。
理想量を100点としてタンパク質の質を点数化したものを「アミノ酸スコア」といいます。
◆つづく◆
さて、こうしたカラダの中のさまざまなタンパク質は、約20種類のアミノ酸から構成されています。
約20種類のアミノ酸の組み合わせによって、できたタンパク質の働きが決まるのです。
(このアミノ酸の組み合わせの設計図が遺伝子DNAです。)
この20種類のアミノ酸のうち、体内で合成できないために食事から摂る必要のある9種類のアミノ酸を「必須アミノ酸」といいます。
●必須アミノ酸●
トリプトファン、メチオニン、リジン、フェニルアラニン、
ロイシン、イソロイシン、バリン、スレオニン、ヒスチジン
これら9種類の「必須アミノ酸」のうち、どれか一つが欠けただけでも遺伝子の持つ設計図通りのタンパク質を作ることが不可能になってしまいます。
設計図通りのタンパク質が作れないということは、つまり、生命活動を司る酵素がきちんと作られないということ。
必要な酵素が必要なときに作られないとどうなるか?
当然、
体内のさまざまな代謝がうまくいかない!
…ということが起こります。
この9種類の必須アミノ酸が、人間にとっての理想量に対してどれだけ含まれているのかが、食品中のタンパク質の質の良し悪しを判断する基準となります。
理想量を100点としてタンパク質の質を点数化したものを「アミノ酸スコア」といいます。
◆つづく◆
タンパク質 その2
【2】 生命活動はタンパク質のはたらき
食べたものを消化する。
入ってきた栄養素を、貯蔵したり、加工したり、使用したりする。
異物や、老廃物を解毒する。
筋肉を動かす。
脳を動かす。
神経を使う。
感情を発生させる。
これらの生命現象は全て!
「酵素」が担っています。
体内の、すべての代謝に「酵素」が関わっているのです。
「酵素」の働きがなければ、あらゆる生きものは、一瞬たりとも「生命体」として存在することができません。
私たちのカラダには、分かっているだけでも3000種類以上の酵素が存在すると言われています。
この「酵素」の正体は、タンパク質なのです。
こうした酵素として存在するほかにも、タンパク質は
○免疫を司る抗体、
○細胞間の情報伝達物質、
○臓器の働きを調節するホルモンの成分
としても働いています。
その働きはまさに「生命活動そのもの」であると言えます。
◆つづく◆
食べたものを消化する。
入ってきた栄養素を、貯蔵したり、加工したり、使用したりする。
異物や、老廃物を解毒する。
筋肉を動かす。
脳を動かす。
神経を使う。
感情を発生させる。
これらの生命現象は全て!
「酵素」が担っています。
体内の、すべての代謝に「酵素」が関わっているのです。
「酵素」の働きがなければ、あらゆる生きものは、一瞬たりとも「生命体」として存在することができません。
私たちのカラダには、分かっているだけでも3000種類以上の酵素が存在すると言われています。
この「酵素」の正体は、タンパク質なのです。
こうした酵素として存在するほかにも、タンパク質は
○免疫を司る抗体、
○細胞間の情報伝達物質、
○臓器の働きを調節するホルモンの成分
としても働いています。
その働きはまさに「生命活動そのもの」であると言えます。
◆つづく◆
タンパク質 その1
【1】 タンパク質とは?
カラダのタンパク質とは?と聞いて、どんなものが思い浮かびますか?
まず、パッと浮かぶのが「筋肉」「内臓」ですね。
「血液」もタンパク質なくしては成り立ちません。
それから、「皮膚」。
そして、「髪」。「爪」。
爪はカルシウムでできてる、と誤解している人もわりと多いようなんですが、髪や爪は皮膚が変化してできたもので、骨とは違います。
ちなみに「骨や歯」を作るのにもタンパク質が必要です。
骨を鉄筋コンクリートと考えると、「鉄筋」にあたる部分がタンパク質、「コンクリート」にあたる部分がカルシウムになります。
要するに、全身を構成するあらゆる部分にタンパク質が重要な成分として存在していることが分かりますね。
つまり、
「タンパク質は身体の重要な構成成分」。
こんなところでまとめられるでしょうか?
いえいえ、まだまだこんなものではありません!
◆つづく◆
カラダのタンパク質とは?と聞いて、どんなものが思い浮かびますか?
まず、パッと浮かぶのが「筋肉」「内臓」ですね。
「血液」もタンパク質なくしては成り立ちません。
それから、「皮膚」。
そして、「髪」。「爪」。
爪はカルシウムでできてる、と誤解している人もわりと多いようなんですが、髪や爪は皮膚が変化してできたもので、骨とは違います。
ちなみに「骨や歯」を作るのにもタンパク質が必要です。
骨を鉄筋コンクリートと考えると、「鉄筋」にあたる部分がタンパク質、「コンクリート」にあたる部分がカルシウムになります。
要するに、全身を構成するあらゆる部分にタンパク質が重要な成分として存在していることが分かりますね。
つまり、
「タンパク質は身体の重要な構成成分」。
こんなところでまとめられるでしょうか?
いえいえ、まだまだこんなものではありません!
◆つづく◆
はじめのことば。
とあるメルマガを発行しています。
このメルマガ、一回の文章量が多くて、発行ペースが遅いのが、自分でも気になってます。
書いた分から少しずつ、こまめに発行できればいいのですが。
まず、全体を大まかに書いて、それから細かい文章を考えたり、構成を直したり、という手順をふまないと記事が書けません。
構成能力に乏しいのです。(T_T)
それで、いままで発行したメルマガのうち、栄養に関する記事を、少しずつこちらに転記・加筆していきたいと思っています。
このメルマガ、一回の文章量が多くて、発行ペースが遅いのが、自分でも気になってます。
書いた分から少しずつ、こまめに発行できればいいのですが。
まず、全体を大まかに書いて、それから細かい文章を考えたり、構成を直したり、という手順をふまないと記事が書けません。
構成能力に乏しいのです。(T_T)
それで、いままで発行したメルマガのうち、栄養に関する記事を、少しずつこちらに転記・加筆していきたいと思っています。