タンパク質 その5 | 管理栄養士の栄養☆教室

タンパク質 その5

【5】タンパク質は生まれ変わる

身体的な成長が止まり、一見変化のないように見える大人のカラダ。

実は、毎日相当量のタンパク質の合成と分解が行われているのです。


まず、古くなった細胞はどんどん分解されます。
酵素やホルモンも、役目を終えれば速やかに分解されます。

また、カラダの中の「糖」が足りなくなった時にも、タンパク質が分解されます。

ある種のアミノ酸から、糖を合成することができるからです。

「糖」は脳や心臓の大切なエネルギー源です。
「糖」が不足し始めると、筋肉のタンパク質がどんどん分解されて、そこでできたアミノ酸から糖を作り出しています。

ですから「食べないダイエット」では筋肉がどんどん減っていきます。
その結果、基礎代謝量が減ってしまい、やせにくく、太りやすい体質に変わっていってしまいます。

運動は、タンパク質の分解と合成の両方にかかわってきます。

運動中は、エネルギー確保のために筋肉のタンパク質は分解され、運動後、主に睡眠中に合成が進みます。

ちなみに「筋肉を作れ!」という信号は、一定の強度の運動をしたときだけに出るので、運動をしないかぎり、いくらアミノ酸を摂っても筋肉が作られることはありません。

タンパク質の合成には大量のエネルギーが消費されるので、常時運動して筋肉の分解・合成が活発な人は太りにくいのです。


このようにタンパク質が分解してできたアミノ酸は、再びタンパク質の合成に回されます。

つまり、アミノ酸は体内でリサイクルされているのです。

タンパク質量が少ない食事が少々続いても、急激に体調が悪くなるようなことがないのはこのためです。


が、いくらリサイクルされていると言えども、一部はアミノ酸のまま燃焼したり、「糖」に作りかえられたりするので、足りなくなった分は食べ物から補給してやらなければなりません。


それでは、1日どれくらいのタンパク質を摂ればよいのでしょうか?


◆つづく◆