前回の記事では、社員証を取り上げられて自宅待機をしていた期間に、会社が団体交渉を受け入れ、会社と私、労働組合の3者で話し合いが持たれたことを詳述した。
社員証取り上げの理由をごまかす会社側
その際、会社は
「解雇なんかしてないですよ、いつでも出社ウェルカムですよ」
のような詭弁を弄して、
「社員証を預かったのは単なる手続き上の問題でして」
のような発言で、解雇自体を全否定するという何とも滑稽な対応に出てきたことを書かせて頂いた。
しかし、社員証を取り上げたのは PIP(Performance Improvement Plan = 成果改善計画)に不合格となって、
「あなたは社員失格です」
と一方的に判断したからであって、私が会社に残りたいと明確に意思表示したにも関わらず
「あなたもPIPの結果次第では退職すると同意しましたよね?」
と勝手に言いがかりをつけてきたことは明白であった。
労働組合は、とにかく会社は事実上の解雇撤回を申し出て来たと判断し、
「では次回、安達さんの会社復帰の条件について話し合いましょう」
と切り出したため、会社も
「わかりました」
と答えて、第2回の団体交渉が開かれることになったものである。
テレビ局の取材
自宅待機期間中に、私にとっては初めてとなるテレビ出演が行われた。
と言っても、ユニオンを通して連絡があったもので、
「労働問題の取材で、PIPによる一方的な解雇で苦しんでいる方をぜひ取材させて頂きたい」
という某Fテレビの制作会社からの依頼であった。
顔もモザイクを掛け、名前も声も変えて放送するとのことで、ユニオンの顔を立てるためにも取材に応じることにした。
取材は、ユニオンの事務室でいろいろな質問に答える形式で行われ、最後は駅の改札で挨拶をして別れるシーンまでが収録された。
2週間後にそれが実際に全国放送された際は、全く誰だか分からない人物としての登場ではあったが、PIPのことを全国に知らせるきっかけの一つになったかと思うと、嬉しくも思った。
第2回団体交渉でも態度を変えない会社側
第1回の交渉から3週間経った金曜日の午後、またインターネットユニオンの会議室でその第2回目の交渉が行われた。
そこには、会社の法務部長と人事部長が参加し、
「解雇を予告する発言は一切行っていない」
と、嘘の主張を繰り返した。
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