下関造船じん肺 逆転勝訴

広島高裁

三菱重工に賠償命令


2014年9月25日 しんぶん赤旗




 三菱重工業下関造船所(山口県下関市)で働いていた下請け会社の元従業員と遺族の計4人が三菱重工を相手に、じん肺になったのは作業場の粉じん対策を怠ったためだなどとして、約1億4000万円の損害賠償を求めた裁判の控訴審判決が24日、広島高裁でありました。川谷道郎裁判長は請求を認めなかった一審山口地裁下関支部判決を変更し、三菱重工に約8000万円の賠償を命じました。


 川谷裁判長は「従業員は長期間造船所で勤務し、じん肺になったと推認できる」と指摘。会社側が従業員のために十分なじん肺防止策を実施したとは認められないとして、安全配慮義務違反があったと判断しました。


 判決によると、原告ら4人は1955年から2006年にかけ、下請け企業の従業員として船室の内装作業やボイラーの修理などに従事。多量の粉じんが舞う中で作業し、じん肺を発症しました。


 一審は「造船所の粉じんは、じん肺になるほど高濃度ではなく、原告らの呼吸疾患がじん肺に起因するとは認定できない」として請求を棄却しました。




マツダ訴訟原告団も3年前の「争議フェスタ」などで交流もありましたし、下関地区のメーデーの式典では一緒に裁判支援の訴えをさせて頂いたこともあります。


また、広島高裁の裁判長も「マツダ派遣切り裁判」と同じ裁判長であり、正当な判断をしてくれたのだと認識しています。


しかし、私たちは勘違いしてはなりません。


今回の三菱造船の裁判判決に然り、私たちの裁判の判決に然り、決して「画期的」な判断ではなく、これが「当たり前の普通の判断」なのだと。


そして、この「普通」のことが「普通」に言えることができる社会にしていかなければならないということを、私たちは忘れてはなりません。