それはインデックス投資家がアセットアロケーションを決める際の定量的判断の指標となる「リスク許容度」に意味があるのかという疑問です。
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例えば、「運用資産30%の下落まで耐えれる」人がいるとします。
この人は自分のリスク許容度を完全に定量的に把握できているとします。
そしてこの人は自分のリスク許容度といろいろなファンドの過去のリスク・リターンを計算し、各種インデックスファンドを組み合わせて
期待リターン4%、期待リスク10%のポートフォリオを組んだとしましょう。
-30%のリターンまで耐えられるのですから、期待リスクの3倍までこの人は耐えられることが出来ます。
期待リスクの3倍(3σ)というのは、正規分布でいうと、だいたい発生確率が0.3%となります。
まずありえないと言っていい確率です。
さて、この人がこのポートフォリオを組んで積み立てをしていたところ、積み立てから20年後に大恐慌がやってきました。
どの先進国株式も新興国株式も平均して90%の下落(過去の大恐慌とおなじ)、債券市場も完全にクラッシュしており、債券発行体のデフォルトが相次ぎ債券ファンドのリターンは-30%となりました。
積み立てて20年ということもあり、リスク許容度は当初より減って-15%のリターンまで耐えられるということで、
株式30%、債券70%の保守的なアセットアロケーションを組んでいたとします。
上記の経済状況よりこの人が大恐慌で得たリターンは
-90*0.3+-30*0.7=-48%
となります。
この人はインデックス投資家を自称しているので
「いつかは戻る。気にせず積み立てを行う」
と思って、気にせず積み立て投資を行いました。
おしまい。
上の話は一般的なインデックス投資家の行動だと思いますが、私がおかしいと思うのは、
当初決めた「リスク許容度」を上回る損失が出たにも関わらず、「何の行動もしなかった」ということです。
一体何のためにリスク許容度を決めたのでしょうか?
例えばリスク許容度が-10%であろうと、-30%であろうとインデックス投資家は
「どんな暴落が起こっても気にせず積み立て」
を行うと宣言している人が多いのです。
「どんな暴落が起こっても気にせず積み立て」という投資行動から垣間見える、インデックス投資家のリスク許容度は
-99.9999・・・・・・・・%
なのではないでしょうか?
最初に決めたリスク許容度が投資を開始する際のアセットアロケーションを決定するとき以外は何の働きもしていません。
潜在的にインデックス投資家は-99.99999999%のリスク許容度があるのならば、非常に高い期待リターンが見込める、高リスクなアセットアロケーションを最初から構築するべきなのではないでしょうか?
荒らし以外のご意見をお待ちしています。