私がインデックス投資を辞めた理由 その2です。
前回はインデックスの銘柄構成及びウエイトについて疑問を持った事が、私がインデックス投資を辞める理由の一つになったことを書きました。
次に疑問に思ったのは、分散投資は本当にリスク低減に有効で、集中投資は本当に危険なのかという事です。
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分散投資の利点については、金融工学の理論による説明と、常識的な説明がなされる事が多いです。
金融工学の理論による説明は和の期待値
と和の分散
が持つ数学的性質から説明されます。
ここでは説明しないので、リンク先を参照してください。
また、常識的な分散投資の利点は以下のように説明されます。
「どんなに優良企業だと思っていても、将来は何があるか分からない。現に震災前は東京電力株は定期預金のように思われていたけど、今の株価は震災前の10分の1以下になってしまって、配当も払ってもらえない。そういう事が起こらないように1つの銘柄に資金を集中させずに分散投資するんだよ。」
金融工学的側面からの説明ですが、これは「期待値と分散は所与である」という非常に限られた場合に成り立つものです。
しかし、将来の期待リターンは誰にも分かりませんし、将来の分散も誰にも分かりません。
将来の分散が分からないとしても各資産の相関係数が1でない限りはリスクが低減できるではないか、という反論もありますが、
アジア通貨危機やリーマンショックといった場合は、瞬間的に各資産の相関は1に近づきます。
リーマンショックのように一瞬で起こる重大な危機の瞬間に対しては、分散投資は無防備です。
また、分散投資が有効であったとしても危機時における資産の大幅な下落はできれば避けたいものです。
「危機時に分散投資していた資産がそれぞれ約40%下落した。相関係数は1ではないから、リスクは低減されているので、これでいい。しかも、アクティブファンドは平均して45%下落しているから、俺のインデックス投資はアクティブ運用に勝っている!」
あなたは自分の資産が40%下落してもアクティブに勝っているから大丈夫だと言えるでしょうか?
私はよほどの余裕資金で運用を行っていない限りは言えないです。
また、常識的な説明に対してはこう反論できます。
「東電みたいに問題が起こっている企業の株価が10分の1以下になるまで黙って持っている必要はあったのか?どう考えても損切りすべき銘柄ではなかったのか?東電株を損切りして得た資金で有望な銘柄を買っていた方がよほどよかったのでは?」
現に東電株に集中投資をしていたとしても、震災後に素早く売り注文を出していれば、損失は20~50%で済んでいます。
最大で50%の損失は大きいですが、取り戻せないほどの致命傷ではありません。
また、インデックスによる分散投資を行っていても、一時的に資産が50%減少することはあり得ます。
ここ5年のTOPIXのチャートを見ればそれが分かります。
また、大恐慌時代には、インデックス指数であるダウ工業平均が90%下落ということも実際に起こっています。
以上の事より、集中投資であろうが分散投資であろうが大きな下落リスクを抱えているという事が分かります。
つまり分散投資は下落リスクを小さくする投資手法ではないということです。
では、分散投資でリスク低減を行えないならば、何をすればリスクが低減できるのでしょうか?
私はリスクを小さくするためには「損切り(トレイリングストップ
も含む)」という行為が有効であると考えます。
むしろ、リスク管理手法として損切りとトレイリングストップ
以外の選択肢はないと言っていいでしょう。
なぜならば、インデックスであろうが個別銘柄であろうが、どこまで下落するのか、どこまで上昇するのかははだれにも予測できないからです。
インデックス投資の本には
「損切りせずずっと耐えていれば資本主義経済は成長し、市場の値は戻る。だからじっと耐えてホールドしているのがよい。歴史もそれを証明している。」
と書いていますが、過去に市場が値を戻したからと言って、将来にまた値が戻るとはだれも保証できません。
また、若い時に大幅下落が起こればまだマシですが、老後資金を必要とする直前に起これば救いようがありません。
長くなるので、まとめますと
1:分散投資も集中投資も下落リスクは同等である
2:下落リスクを管理できる手法は損切り(トレイリングストップ
を含む)のみである
では、集中投資と分散投資は結局同じ事なのかというとそうではありません。
集中投資のメリットについては次回に書きたいと思います。
追伸
トレイリングストップという単語に貼ったリンクは全て違うURLを貼っています。
ご参考になさってください。