コラム1:名木田先生がキャンディに与えた3つの愛



アンソニーとの淡いはかない初恋



テリィとの激しい恋



アルバートさんとの運命的で穏やかな愛



(マンガ批評大系第4巻より。初出は<児童文芸>1982年陽春臨時増刊号)





私はアンソニーファンですが、先生がキャンディにお与えになった「3つの愛」は全部素敵だと思います。



そのどれもが、少女が大人になる段階で経験していく過程ですよね?私たちはまさにキャンディの中に自分を投影して見ていたのだと思います。



バラの門で始まるアンソニーとの初恋にときめいた後、早すぎる死に涙し、そしてテリィとの激しい恋に心臓がドキドキバクバク。シカゴとNYの遠距離恋愛にイライラした末(笑)、納得のいかない別離に意気消沈します。その別れを癒してくれたアルバートさんにラストを委ね・・・となるはずだったのに、これには嬉しい誤算があったようですね。この件は別のトピックとして、また後日にでも・・・



そして珠玉のラストシーン!一人一人の空想と夢が広がる最終ページは、読むたびにいろいろな思いを呼び起こします。切なくなる人もいれば、未来に希望を馳せる人もいるでしょう。単なるハッピーエンドのラブストーリーとしてお作りにならなかったところが名木田先生の素晴らしさであり、この作品が四半世紀を経て尚、褪せない光を放ち続ける理由だと思います。



そう!とにかく衝撃的なラストでした。少女マンガのステレオタイプを見事に打ち破ってくれる設定でしたから。



普通なら「離れ離れになっていたテリィが最後にキャンディを迎えに来て、絵に描いたようなハッピーエンド」になるはず。だからポニーの丘で彼女を待っているのは、アルバートさんじゃなくて・・・(笑)。



でも「キャンディ・キャンディ」は、いい意味でも悪い意味でも、読者の期待を裏切って大どんでん返しをやってのけました。



「えーっ!?これで終わりなの」と拍子抜けしたか、「ああ、良かった。丘の上の王子様がカミングアウトしてくれて」と安堵したか、皆さんはどちらだったでしょう?



賛否両論あるでしょうが、あのラストシーンにこそ、名木田先生のこだわりが凝縮されている気がします。先生は、当時年少だった読者に「好きでも結ばれない恋がある」-どうにもならない世の不条理や恋愛の切なさ、難しさをメッセージとして送って下さったのではないでしょうか。あの時は理解できない年齢だったとしても、今読み返して「そうなの!その通り」と賛同する読者は沢山いるでしょう。それだけ私たちが人生経験を積んだという証しなのでしょうね。



勿論、悪い面ばかりではありません。運命が導いたアルバートさんとの幸せな未来も、あのシーンは暗示してくれています。どう読むかは読者次第。本当に画期的なラストでした。



しかし・・・!!誰かが忘れられてませんか?胸の内にぽっかりあいた寂しい空間。ピューピュー吹きまくるすきま風。この喪失感は、恐らくアンソニーファンにしか分からないでしょう。



物語もラストを迎える頃は、もうすっかり彼の存在は忘れ去られ、ファンの中でさえ影が薄くなる始末 (>_<) 「3つの愛」にカウントされながら、あまりにご無体な扱われよう。死んでしまったから仕方ないと言えばそれまでですが、彼が気の毒すぎて絶句でした。(これについては、また別のトピックで)



もし死なずに踏ん張っていたなら、必ずやキーパーソンとなって、物語を最後まで牽引したであろう彼。
そうしたらテリィやアルバートさんとどう関わっていったのでしょう。
最後にキャンディの心を捉えたのは、一体誰?
そんな「if」を、心の片隅で何度も思い返したものです。



・・・ということで、皆さん、志半ばでバラの露と消えてしまったアンソニーを忘れないでくださいね。


コラム2:アードレー家の家系図は??だらけ
「アンソニー、ステア、アーチー、ニール、イライザ・・・この5人の関係を述べよ」→試験だったら何て答えますか(笑)?

正解は資料によって二通り出てしまいます。

A説:「キャンディ・キャンディBOX」(情報センター出版局・1996年刊)によると、彼ら5人はいとこ同士になります。つまり親世代が姉弟となるわけで、ずばり言うと以下の通り。

コーンウェル夫人(ステア&アーチーの母)が長女、アンソニーの母ローズマリーが次女、サラ・ラガン夫人(ニール&イライザの母)が三女、そして末の弟で長男であるアルバートさん・・・この四人は姉弟です。
したがって子供の世代に当たるアンソニーたちは全員いとこ。

ついでにこの解析本には各キャラの年齢設定も出ています。連載終了段階で、ということでしょう。

キャンディ→17歳
アルバートさん→29歳(丘の上の王子様は18歳)
アンソニー→14歳(享年)
ステア→19歳(享年)
アーチー→19歳
ニール→18歳
イライザ→17歳

個人的には、キャンディとアルバートさんの年齢が12歳(日本的な感覚だと一回りですよね)も離れているのは・・・うーむ、なのですが(^^ゞ
これには個人的な好みがありますよね。アルバートファンの皆さんはいかがですか?
そして丘の上の王子様が18歳なのは老けすぎで、アンソニーの享年が14歳ってのは幼すぎだと思うんですが、これも読み手の好みですね。
(解析本の筆者様を非難しているわけでは決してありません!それどころか拙作を書くにあたって、いろいろ参考にさせていただきました。御礼申し上げます。)

B説:Misakiさんのサイトの「アードレー家」をご覧下さい。
(こちらは「なかよし」1977年6月号付録・「なかよしまんが新聞・キャンディ百科大特集号」が資料になっています)
Misakiさんのサイトはこちらをクリックしてください→

端的に系図が出ていますが、これによると姉弟はローズマリーとアルバートさんだけになりますね。
ステア&アーチーの母は「ジャニス」という名で、ローズマリーとアルバートさんにとっては、いとこにあたります。
ですからアンソニー、ステア、アーチーは「はとこ」同士。
ニールとイライザに至っては・・・うーん、こういうのを何と呼んだらいいんでしょう。わたしゃわかりません(^^ゞ 知ってる方はメールで教えてください(笑)。

これも勝手な意見ですが、私はB説を支持したいです。
理由は簡単。アルバートさんにクリソツなのは、アンソニーだけだからです。それは紛れもなく、二人の血が一番濃い証拠。甥っ子はアンソニー一人だということです。
もしA説を採ると、アンソニーもステアもアーチーもニールも、アルバートさんにとっては同じように甥になるわけで、それなら「なんでアンソニーだけ、あんなに似てるんだ」ということになりませんか?
ま、DNAの遺伝状況によって偶然そうなったのかもしれませんが(笑)。

そしてもう一つの根拠。小説版を読めば特によくわかりますが、アルバートさんはローズマリーだけに特別深い親愛の情を持っています。ローズマリーもしかり。弟を「ちっちゃなバート」と呼び、当主としての将来を案じてやっています。この絆は二人の間にしかあり得ない。やはり二人だけが姉弟だったからではないでしょうか。

もっともらしいところでB説を採用し、拙作の設定とさせていただきました。ですからファンフィクションの中では「アンソニー、ステア、アーチーは、はとこ」「ニールとイライザは単なる親戚」ということになっています。どうぞご了承下さいまし。

(詳しい資料を参照させていただき、Misakiさんサイトに御礼申し上げますm(__)m)



コラム3:キャラの年齢設定

初めに前置き!このトピック、かなりくどくて複雑です。頭がクリアな時にお読み下さいね(爆)。
Misakiさんのサイトの、「キャラクター」をご覧下さいまし→

各キャラの年齢設定ですが、これも説が二つあります。

「なかよし」1975年8月号の登場人物紹介では
ステア17歳・アーチー16歳・アンソニー16歳・イライザ13歳・ニール14歳
そしてキャンディ13歳となっています。

しかし「なかよし」1977年6月号付録・「なかよしまんが新聞・キャンディ百科大特集号」には別の設定が出ており、これに従うと・・・
アンソニー(1898.9.30生)はキャンディ(1898.5.7生)より生まれ月が遅く、「年下の男の子」になってしまいます。おまけに計算していくと享年が僅か12歳。
そんなバカな!ってことで、勝手ながら拙作では以下のように考えさせていただきました。

「なかよし」1975年8月号により、キャンディを基準にして各キャラの年齢差を次のように設定しました。

アンソニー:キャンディより3歳上(正確には約2歳半)
アーチー:3歳上(アンソニーと同い年だから)
ステア:4歳上
テリィ:4歳上 (どこかに「ステアと同い年」と掲載されていたとの情報あり)
アニー&パティ&イライザ:勿論キャンディと同い年
ニール:キャンディより1歳上
アルバートさん:10歳上(これについては、また後日触れます)

キャンディ・キャンディBOXの年表に従うと、アンソニーとキャンディがレイクウッドで初めて出会ったのは1912年の春。
「なかよし」1975年8月号の設定に従い、この年の誕生日が来て、アンソニーは16歳、キャンディは13歳になるわけです。
つまりスイートキャンディをプレゼントした段階で、アンソニーはまだ15歳(誕生日は9月だから)ですが、キャンディはこの日で13歳ということになります。

以上の点を考慮に入れて生年月日を書き出すと下記のようにまとまります。(あくまで拙作の中で使っている設定であることをご承知おきください)

★キャンディがなぜ1898年生まれではなく、1899年生まれにしたかは、Misakiさんのコラム「年譜」をご覧下さい。
(簡単に言うと、第一次大戦が勃発した1914年の絡みと、連載終了時にあたる1916年に彼女が17歳じゃなきゃいけないからです)

アンソニー:1896年9月30日
キャンディ:1899年5月7日
アルバートさん:1889年 ??
テリィ:1895年1月28日
ステア:1895年5月25日
アーチー:1896年10月11日
アニー:1899年5月7日
パティ:1899年6月19日
ニール:1898年 ??
イライザ:1899年 ??

個人的にすご~く引っ掛かるのは、キャンディとテリィが4歳も離れてるかってことなんですが・・・。見た目、2歳差が限度だな~。
でも、アンソニーとキャンディが3歳差でしょ。これがハードルなんだよな。私的には、アンソニーってテリィより年下だと思うんですよ。1歳くらい。で、考えた挙句、上記の線で執筆することにしました。
いろいろご意見はあると思いますが、何分にも原作の設定自体が曖昧なので何卒ご了承くださいませ。(テリィファンの皆さんの理想を壊すかもしれません。本当にごめんなさい!!)

尚、きつね狩りの事故は1912年10月初旬とさせて頂きました。(設定は「秋」となっているだけで、何月だったのか定かではありません)
その当日、アンソニーは16歳になったばかり、キャンディは13歳5ヶ月、ということになります。
以上をご理解いただいた上で、ファンフィクのプロローグ2以降を読んで下さるとありがたいです♪