初めまして、こんにちは。受験生です。
正確には、活字不足の受験生です。
半年ほどは電子書籍やらネット小説やらでごまかしてきたのですが、とうとう我慢がきかなくなったので、一冊。
第一志望の受験が終わってしまったので、結果待ちの徒然に読みます。私の最も好きな本です。





『砂糖菓子の弾丸はうち抜けない』桜庭一樹(富士見書房)

読了:95分


昨年の夏に初めて拝読いたしまして、あと4年、せめて3年は早く出会いたかったと思いました。
主人公の女の子は、13歳。ちょうど悩めるお年頃です。そんな時期にこの本を読めていたら、もう少しは楽に過ごせたのでしょうか。ついそう思ってしまいます。



あらすじ

主人公田中なぎさは、とても冷めた性格をしている。彼女の学校に来た転校生海野藻屑は、「一人称が『僕』の、自称『人魚』」。
しかも彼女は、有名なシンガーである海野雅愛の娘だった。

奇怪な行動によってクラスから浮く藻屑に、なぜかなぎさは好かれてしまい、だんだんと距離を詰めていく。そこで気づいたのは、彼女は自分以上に不幸であるということ。それからなぎさは、藻屑を受け入れるようになる。

貴族の兄曰く『実弾主義』であるなぎさと、『砂糖菓子の弾丸』を打ち続ける藻屑。二人の共通点は、まだ13歳の女の子であるということ。それぞれが家庭に問題を抱える中で、生きている。

「子供はみんな兵士で、この世は生き残りのゲームで。生き残った子供だけが大人になれる」

彼女たちは戦場で戦っているのだ。





こんな説明だと、よくある学園ものかな?なんて思ってしまいますが、そこはさすがの桜庭一樹先生といいますか、桜庭節とも言えるようなミステリーやらサスペンスやらも多分に含まれております。さらに、中二病、引きこもり、家庭内暴力など、現代社会の問題点も、実は詰まっている。

大人になりたい子どもと、子どもだった大人。
大人も昔は大人になりたい子どもだった。大人にもできないことはあるし、子どもが思うほどに大人ではないかもしれない。





この本、もともとはライトノベルとして刊行されたものらしいですね。ライトノベルの幅が広すぎてついていけない。ライトノベルを舐めちゃいかんですよ。
毛嫌いするには惜しいほどに内容が詰まっている。文庫本で見ると、びっくりするほど薄いんですね。1cmほどの紙の束の中に、夢とか、希望とか、絶望とか、心理とかが埋まってるって、やっぱり本は偉大だなあ。