【オウム法廷再び】平田被告裁判員判決、食い違う元証言を慎重に検討 事前共謀認定の柱
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斉藤啓昭裁判長が言い渡す判決に聞き入る平田信被告(左)=7日、東京地裁(イラスト・井田智康)
オウム真理教元幹部、平田信(まこと)被告(48)を懲役9年とした7日の東京地裁判決は、検察側の主要な主張を採用し、「事前共謀」を認定した。約19年前の事件で、元幹部らの「記憶」も食い違う中、裁判員らは慎重に証言の信用性を検討した。
記憶と不明確さ
平田被告が事前共謀を否定していたのは目黒公証役場事務長拉致、宗教学者の元自宅爆破の2事件。いずれも、判決が事前共謀を認定する柱としたのは、共犯者の元幹部らの証言だ。
拉致事件では、教団施設で平田被告に「計画を説明した」とする中村昇受刑者(47)の証言を重視。「はっきり記憶しているところと不明確なところを区別して述べている」として信用性が高いと判断した。
指揮役とされる井上嘉浩死刑囚(44)の証言は「誇張や記憶の混同」の疑問が残るとし、中村受刑者の証言と一致する範囲で信用できるとした。
爆破事件でも元信者らの証言を根拠に事前共謀を認定。「爆発することは知らなかった」と弁護側に沿う証言をした小池(旧姓・林)泰男死刑囚(56)については、曖昧な部分もあり信用できないとした。
【オウム法廷再び】平田被告裁判員判決、食い違う元証言を慎重に検討 事前共謀認定の柱
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斉藤啓昭裁判長が言い渡す判決に聞き入る平田信被告(左)=7日、東京地裁(イラスト・井田智康)
長期審理に負担も
1月9日の選任から判決まで、裁判員の在任期間は約2カ月に及んだ。
判決後に会見した補充裁判員からは「人がいない職場で土日も出勤した。精神面では問題なかったが、体力的には負担があった」との声も出た。
自営業という裁判員は「従業員を休ませないといけないので、(審理期間も)仕事をしていた。睡眠時間は1、2時間だった」と振り返った。
公判には、社会と隔絶した空間で過ごす確定死刑囚3人も出廷した。
裁判員の一人は「後は死を待つだけのこの人の人生って何だろうと思うと胸が痛かった」。元教祖、麻原彰晃死刑囚(59)=本名・松本智津夫=も含めて「関わった人全員の証言を聞きたかった」という意見もあった,rmtssp。
実態理解には懸念
オウム裁判として初めて裁判員が審理に加わった平田被告の公判。検察幹部は「事件の全体像を見て、適切に判断してもらえた」と総括した。
ただ、「オウム真理教家族の会」の永岡弘行会長(75)は「決められたスケジュールで審理が進められ、教団の実態が裁判員に十分理解してもらえたのか」と懸念する。
今後は、地下鉄サリンなど4事件で起訴された高橋克也被告(55)の公判も控える。
永岡さんは「マインドコントロールなどについて、裁判員に丁寧に説明してほしい」としている。