「あなたの好きな言葉は?」
諸悪莫作衆善奉行自浄其意是諸仏教
七仏通誡偈です。
「色々悪いことしないで、良いことをする。そうやって自分で自分の心を綺麗にしていく。それが仏さまの教えですよ」ってな感じの意味です。
この文章を読むたび「このシンプルさこそ仏教でしょ!」と思わずにいられない。
難しい理論も面白いけれど、根本はシンプルなんだと思います。
悪いことをしないで良いことをする。って言葉は簡単だけどやるのは難しい。
難しいのは分かってるけど、笑顔で「やれよ」って言ってくる感じも、仏教の良いところ。
*
言葉について、最近思うことがあります。
それは「良いことだけ言う」も「悪いことだけ言う」も根本は同じなんじゃないかということ。
過度に甘やかすことも、過度に厳しく躾けることも、どちらも虐待であるのと似てるかも知れません。
わたしは七仏通誡偈が好きなくらいですから、昔はどちらかと言えば「悪いことを言わず、良いことを言おう」と思っていました。インターネットには悪意が溢れすぎているから、自分くらいは良いことだけ言おう。そんな風に思っていました。
けれども、最近やめました。
自分の中に生まれた良い言葉と悪い言葉どちらにも同じだけの価値があると気づいたからです。
悪い言葉と言っても、悪意や嘲笑や誹謗中傷ではなく、どちらかと言えば疑問や不快感、マイナスな感想なんかです。
ポジティブな言葉、ネガティブな言葉と言った方が分かりやすいかもしれません。
ポジティブな言葉だけを使えば、人には嫌われないですみます。
けれど、良いことしか言わない人の言葉はどこか軽いのです。
自分の頭で判断せず、人の顔色だけで判断しているから。
そういう人の言葉は良い言葉かもしれないけれど、信頼は出来ないです。
何より「良いことしか言わない自分」なんて、自分自身が一番信頼出来なくて辛くなる。
だからわたしは、ポジティブな言葉と同じくらい、ネガティブな言葉も使います。
それで嫌われることがあったとしても、構いません。その程度だったんだと思うから。
いいと思ったことも、駄目だと思ったことも言う。
それがわたしにとっての「良いこと」なのです。
どちらに偏ることもなく、真ん中の道を歩いて行きたい。
好かれる言葉より、価値のある言葉を。
そんな風に思います。
▼本日限定!ブログスタンプ