昨年12月29日、東高円寺の「笑や」で開催された怪談イベント「伊山×語り部」へ行ってきました。年末年始色々と忙しかったため、感想文を書くまでに大分時間が掛かってしまいました。

そんな時もある。

 

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開演一時間前に東高円寺に到着。

東高円寺には初めて行ったのですが、妙にピザ屋が多いという印象。

ピザ屋ではなく駅ナカのドトールでいわおさんが寄稿したご本、竹書房の『障ル話』を読みながら開場時間まで時間をつぶし、ドキドキしながら会場へと向かいました。

 

 

開演時間になり、颯爽と現れる伊山亮吉さん。

なんというか、想像していたよりもずっと可愛らしくてびっくりしました。

まあるいハット、身体にフィットするスーツ、ネクタイをちょこんと留める狐のネクタイピン。こんなに可愛らしい見た目なのに、その実恐ろしい怪談紳士なんだよなぁ!と胸を高鳴らせていると、すぐにゲストのいわお☆カイキスキーさんが呼び込まれました。

生で見るいわおさん、めちゃくちゃカッコよくて存在感があって、とにかく素敵でした!

柔和な笑顔が素敵なのは言わずもがななのですが、やっぱりお声がいい・・・

 

お二方が登場された瞬間、あっという間に心を鷲掴みにされてしまいました。

 

 

こちらのイベント、第一部は配信あり、第二部は配信無しで行われる二部制のイベントでした。

コッペパンは通しで参加させて頂いたのですが、一部二部それぞれ味わいが違っていて良かったです。

配信有りの一部は「お二人が語る怪談を楽しむ」といった感じでした。特に伊山さんが楽しそうに語られていたのが印象的で、ニヤつきながら身振り手振りを交え話される姿が怪談より怖かったです。この方は本当に怪談そのものがお好きなんだなぁと、つくづく感じ入りました。

そしていわおさんのお話も素晴らしかったです。

柔らかいお声で語られるお話は目の前にありありと情景が浮かぶほど緻密でリアル。淡々と語られる世界にあっという間に引きずり込まれ、物理的な鳥肌が立ちまくりでした。もちろん怖い中にも、なんとも言えない切なさもあって。いわおさんの怪談には人間の心があるなぁと。怪談の滋味を感じる、そんな時間を過ごさせて頂きました。

第二部は配信無しの、所謂クローズドと呼ばれる内容。

そのせいもあってか、伊山さんが第一部よりもさらに生き生きとされていたように感じました。伊山さんのお話、問答無用に怖かった。内容自体はYOUTUBEでお話されていたものだったのですが、知ってるお話だとかそんなのは関係なく、シンプルに怖い。うまく言語化出来ないのがもどかしいのですが、伊山さんのお話を聞いていると「この話をこのまま聞いていてはいけないのではないか」という不安な気持ちになるのです。話自体は知っているのに。今までに経験したことが無い類いの怖さを伊山さんの語りからは感じました。

第二部でのいわおさんのお話も凄かったです。なんというか、お話が上手なのでするすると聴いてしまうのですが、ふと気づくと手の中に嫌な後味と罪悪感が残る。人が人である故の悲しみ、愛情の愚かさや罪を感じてしまう。怪談が好きであることの業みたいなものについて考えずにはいられなかったです。

 

 

とまぁ、ついつい真面目に書いてしまったんですが。

イベントは自体は楽しい雰囲気で、超絶下らない下ネタとかも交えつつ、最後まで和やかな空気でした。怪談は怖く、それ以外は楽しい。そんなメリハリのある良いイベントだったと思います!

 

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伊山さんの語りは怪談の本質をさらけだすような、こちらを不安にさせるような語りだなぁと思いました。

いわおさんの語りは、とにかく巧妙。そして、怪談で人間を語る。そんな印象を受けました。

 

怪談は基本的にYOUTUBEで聞くような、完全なライト層なわたくしですが、

生はやっぱり良いな!!!と思いました。

目の前にご本人がいるという臨場感、そして語りの呼吸と緩急を直に感じられる幸福。

これに勝る物はないのではないかと。。。

 

また機会があれば行きたいなぁと思います。

ほんと、行って良かったです。