人が地上での生を終え、霊となって霊界やら天上界やらで「生きる」

そのような意味での死後の世界は存在しない。

人が今生において積み重ねた経験や記憶は、死によって魂との繋がりを失い消失する。

つまりは前世も来世も無い。

魂のみは、その大いなる源へと帰り、次なる生を待つ。

だがそこに我々が知覚、認識しえるような意識は無い。

その生前の営為によって培われた傾向によって魂の帰結に差異は生じうる。

だがそれを明瞭に認識するすべは無い。


過去は変えられず、未来は未だ訪れない。
人にはいつであろうと「今、此処で」しかない。

目的を持って生まれてきた者など居ない。
為すべきことを果たし終えて死んだ者も居ない。

人の生に意味は無い。その追求には正答が存在しないゆえ。
だからこそ無限の価値がある。それは無窮なるがゆえ。

「歌いたいものは歌い、死にたいものは死ねばいい」
畢竟、人とはそれだけのものと私は思う。

これは諦念でも絶望でもない。
何かの決意であろうと私は信ずる。

 

ただ歩むのだ。

星の彼方 夢の地平の彼方に還るときまで。