即興詩 『 マドンナリリー 』 | あいらぶありす

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        即興詩     『  マドンナリリー  』


                                                           橘  まゆ


なみだの雨ふりだせば

空っぽのわたしの心臓

冷えてくる 



ママと呼ぶきみ  遠すぎて 

わたしの かいなに

いだけない



なみだの雨  

はげしくなりて

傘を捨て

あなたの名前を

叫んでる



「 ありす   ママは ここにいるよ 」



ありす   ありす   ありす

なんど 呼ぼうと

遺影のきみは    ほほえんで

「 ママ  泣かないで 」と

言っている




もしかして

ふってる雨は   かみさまが

もう   泣かなくても よいように

かみさまが   こぼす涙が この雨





この世には

時間という 

くすりがあると いうけれど

残念ながら

わたしには

あまり 効き目が 無いようだ





ありす    ありす    ありす

あなたと歩いた道が

泣いてるよ




ありす  ありす  ありす




ありす    ありす   ありす

あなたが  死んだこと

わからないよ

あなたが  わたしをのこして

死んだこと   そんなこと

わからないよ



いまも   この詩を 編みながら

あなたの骨壺のまえで  哭いている



やさしい やさしい かみさまの

ながした涙は  翡翠いろ




ありす   ありす   ありす

あなたと暮らした部屋の窓からは

かわいい小鳥のさえずりが

今朝も  わたしを起こしたよ






いつのまに

なみだの雨はやんで

水たまり

なないろの虹と 雲とを   映してる

ああ  虹




雨は  あしたも ふるだろう

あしたは  窓辺に

マドンナリリーを生けよう


雨は  あさっても ふるだろう

あさっては  

ひとり    あなたと 歩いた公園で

青いもみじの陰に居る




ありす   ありす   ありす

あなたと毎年   みあげてた

桜は 春に 散りおえて

来年の春を 待っている



ありす   ありす   ありす

命はいつか めぐりあう

マーラーの『 復活 』の詩

死んだものは  ふたたび よみがえる

不滅の命があたえられる、と。




ありす   ありす   ありす

あなたと毎年  みあげてた

桜は  ことしも  散りおえて

来年の春を  待っている


ありす   ありす   ありす
 

あなたの名前をよぶたびに

わたしの なみだの雨は

やむことは ない