散文詩 「 生きてあるゆえに 」 散文詩 「 生きてあるゆえに 」 生きてあるゆえに 薔薇の紅が 眼のなかにある 生きてあるゆえに 百合の白が 涙にくるまれる 生きてあるゆえに 泥のなかに咲く 我は 蓮華 生きてあるゆえに 色付いた落ち葉を 踏みしめて 歩ける 生きてあるゆえに 冷え冷えとした この手が かじかむ 生きてあるゆえに いま 人を生きてゆける 生きてあるゆえに いま あなたを愛せる 生きてあるゆえに いま あなたと 生きてあるゆえに いま あなたを愛せる