「 初恋を がりっと噛んで 新生姜 」
新生姜の味、
なんだか 初恋に似ている気がします。
最初は、ほの甘く 咀嚼が
苦さを連れてくる、あの味と。

私の初恋は、遅く(かたぶつだったので)、
18歳のときでした。
バイト先で、出逢ったひと。
初めてのデートは、箱根でした。
その晩、民宿にとまったのですが、
一晩中、手も握らず、
ただ、二人で 夜の匂いに
息をつまらせ、そして、
朝を迎えたのです。
彼からの連絡が途絶えがちになった
数ヶ月後、
「伯父のいるフランクフルトに
住むことになったんだ。」と、
電話がありました。
それが、彼との別れの電話に
なりました。
「 初恋を 捨ててきたんだ 夏怒濤 」
