そして誰もいなくなった/アガサ・クリスティー
青木久恵
島に10人集められて1人ずつ死んでいくっていうストーリー
読了です。
私翻訳小説初めて読んだかも。
きっかけは、十角館の殺人です。
「アガサ」という登場人物が居るのと、それに話が似ている話との事で。
まずね〜私はカタカナの名前を覚えられなくてね。
クローズド・サークルのミステリ小説は登場人物多めの序盤に人物像の説明だったりして、名前と人物像を固めておかないと話についていけなくなってしまうので、メモしていつも読むんだけど。
メモしてても記憶に残らなくてなっかなか読み進められず。
そこで考えました。
「想像した人物像を絵にしてみる」事にしました。
そんなに絵は得意でないけれど、これで名前と顔が一致しだして人物像に寄せて描いているところもあるので、これがかなりストーリーを読む上でかなり助けられた!
以下ネタバレます。
途中、心の声パートがあるんだけど、
それは誰の心の声かは明かさず出てくるところがあって、思っている内容から「あの人かな」「この人かな」と探るんだけれど。
まあ「ヴェラではない」は確かであったのよ。
しかも、「ロンバートではない」もかなりそうで。
最後の2人の亡くなり方も考えて
「誰かが本当は生きている」となるところまで、考察しました。
じゃあ誰なのかだよね
マーストンと思ってたけど違った〜
トリックについては私的には
「本当にそれ行ける?」とも感じられたけれど、アームストロングと手を組む事で亡くなった事に出来ると考える、って所までは思いつかなかった。
動機もなんなのか、10人には共通点があるのかとも思ったけれど、序盤のレコードの内容の通り「裁かれない罪を持った人達」という共通点の元、犯人であるボーグレイヴに集められた。
動機は「人を殺したいが正義感が邪魔をして実行出来ないでいたが、裁かれない罪を持った人なら正義感を持って殺せると考えた」という狂人っぷり。さすが死刑好きの判事。
しかし「裁かれない罪」の感じ方っていうのも人それぞれだね。
マーストン、ブレンド、アームストロングは自身の罪意識が低いけれど、ヴェラ、マッカーサー、ロジャーズ夫妻は罪の意識が強く暴かれた事に恐れていたりと、人物像の描き方が結構好きでした。
絶対の悪は無いけれど、良心が全て良い方向になることも無いし、きっかけを与える事はあっても、直接死に追いやった訳ではないとしても、その先に死があると「あのときの私の選択が違ければ」と罪の意識が芽生える事は生死の話でなくても割とある。
ヴェラが罪の意識にのまれて、誘導されるまま自死を選ぶのは苦しかったな。
ちなみに、十角館の殺人もそして誰もいなくなったも、トリックの種明かしを壜に入れて海に流すという手法なんだよね。十角館の殺人の話のなかではアガサ・クリスティーが存在する世界なので、それを真似したやり方をとったと見れるね。
派生読みもなかなか面白い。
