社内、営業 | 販売力、営業力、交渉力

販売力、営業力、交渉力

営業力とは―まずコミュニケーション能力を学び、販売力が発展し、交渉力へと導かれるものだと思っています。まだまだ至らない『今の』私は。


変化と謙虚さ  こちらの続きとなります。




変化というのは成長という言葉に置き換えても差し支えはないのだけれど、

これは、営業マンの存在価値を示す数字とは別のものとして、私は考えたい。


別の言い方をすれば・・・


全く数字が上がっていないのはわかっている。だから、今の結果なんてどうでもいい。

じゃあ、今のやり方は間違っているということだよね?

だったら、どこを改善すれば正しい方向に向かうのかい?そういうことは考えている?



こういうことだ。理屈は非常に簡単だと思うが、



自身を客観的に見つめ、行動を改善できる人はなかなかいないと私は思っている。



思っているからこそ、現状の営業としてのスキルうんぬんは完全に別として、

評価すべきポイントだし、他社員に与える影響を考えても必要な人材だ。


彼は、日々、それを感じさせてくれた。

言葉遣いひとつ採ってもそう。行動予定を聞いてもそう。訪問件数を聞いてもそう。


結果として、数字はついてこない。ただ、それはあくまでも結果論。

間違ったプロセスさえ踏ませてないのだとすれば、結果がでないのは上の責任なのだから。



―うちの会社も一般的な営業会社にありがちな大量入社・大量退社のスタンスだったから、

彼が入社してからも随時求人募集はかけていたし、合わないと辞めていく人も常にいた。


雑務は新入社員が全て行う、という部課ルールで動いていたのだが、それを彼が覆した。



全て自分にやらせてください、その代わりに、営業の事を色々教えてもらっても良いですか?



責任者である私であり、自分にとっては後輩社員でありに頭を下げてきた。

私に異論はなかった。後輩社員たちは苦笑いしていたのをよく覚えている。


彼は誰よりも早い時間に出社してきた。雑務をこなし、何かしらの資料を広げる。

次々と出社してくる後輩社員たちのところに持っていきプレゼンのロープレを行い、


ダメ出しを、食らっている。怒られている。嘲笑のような声も聞こえる。

ただ、彼は頭を下げ、ひたすら頷いていた。表情は見えないのだけど。



―それから1年後ほど、どうなったかだけ書いてみると―


安定して成果を出せるようになった彼に役職を持たせた。

彼が指導して「もらっていた」後輩たちを彼の下につけた。


後輩たちの何名かは即座、辞めると言いだした。彼の下は嫌だと。

彼の下が嫌な理由は―勿論、直接的な言葉は出さないけれど、



自分が教えてやっていたヤツの下になんかつけるか!

という、卑小な感情が大きかったと私は感じた。残念ではあるが。



でも、これが人間の当たり前の感情かな、と思う。

第三者的な立場で見ていたが、私がもしその立場におかれたら―


―そう考えるが故に、彼が後輩に頭を下げた行動は何よりも評価に値する。

誰にも真似できない、人間としての謙虚さ。ヒューマンスキルとして。



今現在は私も彼も別々の道を歩んでいるが、久しぶりに会いたくなった。

上司、部下の関係を抜きにして。謙虚な姿勢で彼の話を聞いてみたいと思う。