「葉桜」
橋本紡 著
集英社
書道教室の先生に恋をする女の子のお話。
冒頭、そしてその後も何度も出てくる印象的なシーンが、主人公が墨をするところ。
墨汁を使う人がほとんどの中で、墨をするのが好きだという主人公の言葉からも、本当に書道が好きなんだな、ということが伝わってきます。
先生が好きだという気持ち以上に、
書道が好きだというまっすぐな、初々しい女の子の気持ちが
書道教室の独特の凛とした雰囲気と合っていて、とても爽やか。
報われない片思いに、どう決着をつけるか、
ラストの和歌の応酬には胸がぐっと熱くなりました。
思わず背筋を伸ばしたくなる、気持ちの良いお話です。
302号室のお習字の里桜先生も借りてくださって、感想をお聞きしたのですが、
書道に関する知識や描写が細かくてすごいと仰ってました。
確かに読んでいると、書道の奥深い世界観に入り込んでしまい、
もっと知ってみたいという気持ちになりますね。
302号室とちいさな図書室の共通の話題になったステキな1冊。
ぜひ読んでみてください♪