こんにちは!「後見整理人見習い奮闘記」のブログへようこそ。

担当の平出です。

連日の猛暑日続きですが、この暑さの中での整理作業は、毎年思いやられます。私だけの感覚ではないと思いますが、年を追うごとに気温が上がっているように感じます。このまま温暖化が進むと、日本も亜熱帯地域、さらには熱帯地域に属していくかも知れません。未来を考えると不安ですが、温暖化をストップさせるような対策が全世界で求められている時であると思います。地球規模の発言をしても大言壮語となりますので、現場目線に話を戻してみます。

 

日常の実務や勉強の中で見聞きした最新情報をお届けしているこのブログですが、今回は日本中、そして私たち支援現場のあり方を根底から変える、ニュースを取り上げてみます。

 

2026年6月、判断能力が不十分な方を支える仕組みを定めた「民法等の一部を改正する法律」が国会で成立しました。

今回の改正は、2000年の制度スタート以来(じつに26年ぶり!)の改革です。

よく「後見制度の名称や仕組みはどう変わるの?」というご質問をいただきますが、制度の大きな枠組みや名称そのものがどう整理されるのか、そして現場で働く見習い目線で「何がどう変わるのか」を分かりやすく解説していきます!(実はあんしんネットの定例勉強会で学んだことを伝えていくのですが・・・)

 

1. 制度の名称や仕組みはどう変わる?

まず気になる名称についてですが、今回の法改正では、これまで親しまれてきた「後見制度」という大枠の総称自体はそのまま引き継がれます。

しかし、その内部構造はガラリと生まれ変わります。これまでは本人の判断能力の程度に応じて、「後見」「保佐」「補助」という3つの類型分類されていました。

今回の改正で、この3つが大きく再編され、「補助」の仕組みを中心とした制度へと一本化(一元化)される方向で大きく舵が切られました。

なぜ一本化されるのか? それは、「本人の判断能力のレベルで一律に枠をはめるのではなく、『今、どんなサポートを必要としているか』という具体的なニーズ(必要性)に合わせて支援を組み立てるという方針に変わったからです。

 

2. ここがすごい!制度の大きく変わった4つのポイント

現場の肌感覚としても、「これなら利用者の負担や不安がグッと減る!」と確信できる、主要な4つの変更点をまとめました。

① 最大の革命!「途中で終われる後見」へ(終身制の実質的な廃止)

これまでの最大の壁は、「一度始めたら、本人が亡くなるまで原則として一生やめられない(終身制)」という点でした。 たとえば、「実家の売却」や「遺産分割協議」といった特定の目的のために利用を始めた場合でも、それが終わったあとに何年も(人によっては10年以上!)後見が続き、毎月の専門職報酬を払い続けなければならないケースがありました。 これが改正後は、「設定した目的が完了し、必要性がなくなった」と家庭裁判所が認めれば、途中で利用を終了できる(やめられる)仕組みへと変わります。

② 支援範囲をピンポイントに絞れる「オーダーメード型」

これまでは「後見」になると、日常生活の買い物以外のほぼ全ての財産管理権限が包括的に奪われてしまい、本人の自己決定権が大きく制限されていました。

新しい制度では、必要な行為(例:「この不動産の売却手続きだけ」「この預金口座の解約と相続手続きだけ」)に権限を限定したスポット利用がしやすくなります。「できることは自分で、難しいところだけピンポイントで手伝う」という、本人の尊厳に寄り添った支援が可能になります。

後見人の「途中交代」がしやすくなる

これまでは、担当してくれている後見人(専門職や親族)との相性が悪かったり、十分な連絡が取れなかったりしても、横領などの重大な不正がない限り、後見人を途中で交代させるのは非常に高いハードルがありました。

改正法では、本人の利益のために必要があると認められる場合には、より柔軟に後見人等を選び直すことができるルールへと見直されます。

本人の意思決定支援の徹底

「本人がどうしたいのか」という意向を可能な限りくみ取り、それを尊重しなければならないという原則がより明確に法律に位置づけられました。ただの「管理・代行」から、本人の意思を主役にした伴走型支援へのシフトが鮮明になっています。

3. 注意しておきたいポイント(いつから使えるの?)

これだけ素晴らしい改革ですが、明日からすぐにこの新制度が使えるわけではありません。

システム改修や家庭裁判所の運用ルール整備など、現場の準備期間が必要となるため、実際に新制度がスタートするのは、公布から数年後(2028年度中頃)の見込みとなっています。

そのため、現在すでに親御さんの認知症が進んでいて、「今すぐ実家を売らないと介護費用が足りない」「目の前の遺産分割をまとめないと困る」という切迫した状況にある場合は、改正を待たずに現行の制度や他の手段(家族信託など)を検討する必要があります。

 

これからの後見整理人見習いとして

今回の民法改正は、これまで現場でささやかれていた「使いづらい」「一度始めたら抜け出せない監獄のようようだ」という大きな不満の声を真正面から受け止め、「本当に必要なときだけ、柔軟に頼れる優しい制度」へとアップデートする一歩となります。

私たち後見整理人も、このような法改正をしっかりと把握して、整理にあたる必要があります。

制度が完全に施行される2028年頃に向けて、今後さらに詳しい運用ルールや政省令が発表されていきます。

 

このブログでも、最新情報が入り次第わかりやすく発信していきますので、ぜひ一緒にアップデートしていきましょう!

それでは、今回の見習い奮闘記はこの辺で。

次回の記事もお楽しみに!