たくさんの人々が自分の夢を持ち、誰でも成功したいと願っています。

ただし、自分の夢を叶えられる人はあまりないのが現実です。逆に、自分の夢を叶えた人もいることも事実です。

 

自分の夢を叶えられる人と叶えられない人の差とは、一体どのようなことがあるのでしょうか。

 

現代では、様々な夢を叶えるための方法が雑誌やインターネットなどで紹介されています。その一つに、「催眠術」があります。

 

催眠術は、テレビで視聴率を上げるために面白おかしく催眠術を放映することが多いようですが、実はれっきとした医療として昔からおこなわれてきた技法です。

 

しかし、どうして催眠術が夢を実現化することにつながるのでしょうか。今回は、夢を実現化する催眠術について解説します。

催眠術・催眠療法の歴史

日本ではTVなどの影響もあり、催眠術は一種のショーで、やらせのような感じで捉えられることが多々あります。

 

しかし、実際には催眠療法としての歴史は古く、約3千年以上も前から治療や宗教的な儀式として人々に用いられていたようです。

 

近代における催眠療法は、19世紀に、オーストリアのフランツ・アントン・メスメル医師が始めたことが最初だといわれています。

 

しかし、実際には1800年代中頃にスイスの磁気デモンストレーターのチャールズ・ラフォンティーヌ(1803~1892)がデモンストレーションとして人々に催眠術をかけていました。

 

それをみていたイギリス人外科医のジェームズ・ブレードが「これは人為的に作った睡眠だ」と表現してHypnotismという名を付けたと伝えられています。

 

ちなみに、「Hypno」 はギリシャ語で睡眠の意味になります。

 

その後、フランツ・アントン・メスメル医師が「動物磁気療法」を考案しました。

 

メスメル医師は、私たち人間や動物が身体を動かすことができるのは、身体の中に「磁気力(動物磁気、animal magnetism)」があるからだと考えました。

 

メスメル医師は、動物磁気は磁気を帯びた流体で、電気や引力のように物理的な力が作用していると考えていました。

 

メスメル医師は、この動物磁気を操作して、病気を治療することを試みるようになりました。

 

この治療方法のことを「メスメリズム(mesmerism)」といいます。

 

メスメリズムは別名「気功療法」であるともいわれています。

 

こうしたことから、動物磁気療法と気功療法のつながりを深く感じることができます。

 

その後、メスメル医師の弟子であるピュイゼジュールが「動物磁気催眠」という技法を発見し、様々な実験やテストをおこないました。

 

これらの実験では、驚くべき結果をもたらしました。

 

例えば、ある被験者は自分の病気を治しただけでなく、まったく医学的知識がないのにもかかわらず他人の病気を診断して、最も効果的な治療方法を人に指示したりしたといわれています。

 

他にも、列席者(記者等)の財布の中身を、コインの種類や数までピタリと言い当てたという逸話もあるようです。

 

こうしたことから、彼らメスメリストたちは、動物磁気療法は科学を超えた「超科学」であると唱えました。

 

この頃から、動物磁気療法のことを人々は「メスメリズム(mesmerism)」というようになりました。

 

この言葉は、イギリス人医師のジェームズ・ブレードの造語だともいわれています。

 

メスメリズム療法から発展した科学的技術のことを、後に「ヒプノシス(催眠)(Hipgnosis)」といわれるようになります。

 

ヒプノシスは日本に入ってきたときに「催眠術」と名付けられました。

 

何故なら、初めてヒプノシスを見た日本人にとって、催眠状態を「眠りに催す」ように見えたからです。

 

その後2週間後には、被験者は眠っている訳ではないと気付きましたが、すでに「催眠術」という言葉は日本中に広まってしまっており訂正することができなかったようです。

 

催眠術・催眠療法とは

催眠術のテクニックのことを「催眠誘導」といい、私たちが普段起きて行動している状態から「催眠状態(トランス状態)」に誘導するテクニックです。

 

催眠誘導のテクニックは、長い歴史の中で、様々な方法が開発されてきました。

 

光やペンなどをじっと見つめる古典的な方法から、心身をリラックスさせながらゆっくり時間をかけて催眠誘導する方法など技法も様々です。

 

催眠療法は、催眠によるテクニックで潜在意識に働きかけ、心のネガティブな部分をポジティブなものに変える方法です。

 

心理的な原因などを(実際には痛みなどにも対応する)改善することが可能なため、一種の心理療法ともいわれています。

 

人間の領域には「意識(顕在意識)」と「無意識(潜在意識)」があるといわれています。

 

有名な心理学者であるフロイトは、意識と無意識の割合を、意識(顕在意識)が1割、無意識(潜在意識)が9割だといい「氷山の一角」に例えられます。

 

顕在意識は、起きている状態で、様々な活動をおこなっている通常の状態のことです。

 

しかし、足を組んだり頭を掻いたりするような動作は無意識におこなっている動作であり、この領域は潜在意識で動かされている状態といえます。

 

催眠誘導により、催眠状態(トランス状態)になって潜在意識につながることにより、潜在意識に暗示やイメージを送りやすくなります。

 

さらに、ネガティブな記憶などを確認しやすくなります。

 

この催眠状態を利用して、過去の記憶を確認して問題を解決したり、未来へ順行して成功している自分の姿をイメージ(アファメーション)するなどをおこないます。

 

それにより、今現在の様々な問題解決や、成功のための目的達成につながることが可能になるといわれています。

 

催眠療法をおこなうことにより、様々な効果に期待が持てるといわれています。

 

・心配事を解消させる

・ストレスを解消させる

・身体の痛みを軽減させる

・自信を持つことができる

・人間関係の悩みを解消させる

・ネガティブ思考や習慣を改善できる

・成功するためのモチベーションアップ

・過去に起きたトラウマを解消させる

 

例えば、ダイエットして痩せたいという人がいます。

 

「痩せたい」と思う気持ちは、自分の意識であり、顕在意識の領域です。

 

しかし、無意識の領域である潜在意識では、本当は美味しいものを食べたかったり身体を動かしたくなかったりするなどの気持ちがどこかにあります。

 

フロイトの説明では潜在意識が9割であり、無意識の領域が圧倒的に力の度合いが顕在意識より強いのです。

 

また、成功したいという願いを叶えたいと思っていても、「時間がないから」「また後でやろう」などとなんらかの理由を付けて願いを叶えられないことがあります。

 

これは、自分の意思である顕在意識が防衛線を張っているために、夢を叶えることができないのです。

 

催眠療法では、相手や自分自身の意識の力を一時的に弱めて、直接潜在意識に指示を与えることが可能なため、前述したような様々なことに対して効果に期待が持てるのです。

 

催眠状態では、一時的に意識の力が弱められることにより、無意識(潜在意識)が表層に現れてきます。

 

すると、術者の暗示などの情報を、無意識が「真実」として捉えるのです。

 

ちなみに催眠状態下では、意識が完全になくなるわけではありません。

 

一時的に意識の力が弱まり低下しているだけであり、当然記憶はあります。

 

よく心配されるような、催眠術者により操られるということはありません。

 

誰でも経験している催眠状態(トランス状態)

実は、催眠状態(トランス状態)は、私たちは日常生活の中で毎日何回も経験しています。

 

日常的な意識状態以外の意識状態のことを「変性意識状態(アルタードステイツ)」といいます。

 

下記に日常生活の中で起きている変性意識状態を記述します。

 

・スポーツで集中しているとき

・勉強に集中しているとき

・カラオケで熱中して歌っているとき

・深い瞑想状態に入っているとき

・何らかの修行をして集中しているとき

・映画やドラマを見て集中しているとき

・有名な講演家や先生の話を集中して聞いているとき

 

催眠術に入るシステム

前述した意識状態は、普段の日常生活の中で毎日何回も起きていることです。寝起きを考察してみましょう。

 

寝起きの状態とは、少し頭がボーッとしている状態のことです。

 

この状態は「とても気持ち良い」「とても心地良い」状態です。また、「ずっとこのままでいたい」と思う状態だともいえます。

 

この状態を「トランス状態」といいます。

 

人間の脳は、単調なリズムを繰り返し感じると、そのリズムに意識が集中してしまう性質があります。

 

つまり、単調なリズムに意識が集中してしまうと、他の情報空間にアクセスすることができなくなるのです。

 

すると、人間の脳は「冷静な判断力が弱まる」ことになります。

 

このときに、暗示を入れて潜在意識に働きかけ、その人のネガティブ思考を変えたり成功するためのきっかけを作ったりする方法が催眠療法なのです。

 

催眠療法は科学で誰でもできる技術

催眠療法や催眠術と聞くと、なぜか魔法やオカルト、超能力、操られるなどといったマイナスイメージをされる人が多いようです。

 

特に、日本人にそういった人が多いのではないでしょうか。これは、テレビなどのメディアなどの影響が大きいといえます。

 

しかし、実際には催眠術は心理学や脳科学を駆使した技術なのです。

 

欧米では、催眠療法は早くから病院などで治療に使われ、大学の学問としても取り扱われているのです。

 

日本でも近年では、全国の精神か疾患に対して病院などで治療に催眠療法を取り入れています。(病院ナビ参照 https://byoinnavi.jp/tokyo/q02

 

簡単な「誰でもできる催眠術」について説明します。誰でもレモンを食べたことがあると思います。

 

目をつぶって、レモンを頭の中でイメージしてみましょう。

 

まず、レモンを右手で持ちます。レモンには、独特の香りと手触り感があります。

 

そのレモンを鼻に近づけると、さらに香りが強くなります。

 

そのレモンには、ナイフで切り込みが入っているので、両手の指をレモンに差し込んで2つに割ってみましょう。

 

すると、レモンの果汁が中からジュワッとあふれ出して、さらに強烈なレモンの酸っぱい香りがします。

 

その2つに割ったレモンを一口かじってみます。

 

あなたの口の中は、レモンの酸味と酸っぱい香りが充満して、口一杯に広がっていきます。

 

いかがでしょうか。この文章をイメージ化することにより、口の中に唾液がどんどん湧く人もいるのではないでしょうか。

 

人によっては、「こんなことは、当たり前のことだ。」と思う人もいるでしょう。

 

つまり、催眠術とは、当たり前のことを当たり前のようにおこなっているだけなのです。

 

商売におけるセールスやCM、恋愛なども、催眠術と同じことです。

 

例えば、よく夜中に通信販売のCMが流れていますが、夜中は頭がボーッとしているトランス状態なため、何気にテレビのCMを見ているとつい商品を買ってしまうという人もいるのです。

 

昼間や夜間のCMでも、芸能人がこれは美味しいと製品を美味しそうに食べていると、ついその製品が欲しくなってしまうのです。

 

催眠術とは、様々な物事を思い込ませるテクニックを使用して、相手の身体や脳に変化を与えることなのです。

 

催眠術を利用して成功する

催眠術をうまく活用すれば、私たち人間は自分以上の大きな可能性を引き出すことが可能になります。

 

逆に、自分のトラウマを消すことも可能です。例えば、できなかったことができるようになることや自分が描いた勉強(受験合格)やビジネスでの成功を、強力にサポートするアイテムになるのです。

 

催眠術は、決してTVなどで見るようなエンターテインメント的なものではありません。また、オカルトでも魔術でもありません。

 

催眠術は、れっきとした心理学や脳科学を駆使した昔からおこなわれていた技術なのです。

 

子供の頃に、自転車にはねられて、自転車が怖くて乗れない人がいるとします。

 

その人は、20歳になっても自転車に乗ることができません。

 

これは、十何年もの間、催眠術にかかっているようなものです。

 

自分で、自分は「自転車に乗れない」とイメージしているだけです。

 

何か嫌いなものが食べれない、私は○○が嫌いだなども、同じです。

 

人間は、自分で真実だと信じたりイメージしたりする性質を持っています。

 

自転車に乗れないと勝手にイメージしているだけならば、逆に自転車に乗れるとイメージすれば、自転車に乗れるようになるということです。

 

つまり、私たち人間は「イメージをうまく活用する方法」を身につけることにより、自分を成功する方向へ導くことが可能になるのです。

 

 

人間の脳は、イマジネーション(想像力)上での体験と現実に起きている体験の区別ができないのです。

 

しかし、どちらの状態でも、与えられた情報が脳から神経系に命令が行き渡り行動します。

 

この作用をうまく利用することにより、イメージ(アファメーション)を使って成功することが誰にでも可能になります。

 

催眠術や暗示、潜在意識などをうまく自分の人生に活用して、自分が成功する方法をみつけましょう。