この仕事をしていると、時々「故人の尊厳」なる言葉を耳に
しますが、とくに業界関係者の言う尊厳は納得し難く理解も
出来ないのが本音です。 

一般の人が不利益を受けないのであれば、あえて書く必要も
無いのですが「押しつけの尊厳」解釈から不利益を被る人が
いる現実も見ている我々だからこと、それは違うと書きます。

多分「尊厳とは?」と尋ねたら、人によりバラバラの答えが
返ってくることでしょう。 それが当然だとも思う。

尊厳を調べると「尊く、おごそかで、犯してはならないこと」
と書いてあり、分かったような、分からんような文章ですが、
「対象者である個々の考え方を尊重すること」だと思う。

「個人の尊厳」は逝去後も変化せず「故人の尊厳」と文字を
変更しても意味は変化しないはです。

しかし故人の尊厳について語る人の多くは、最後に金の掛る
葬儀だとか、宗教儀式が付随するから理解できない。

火葬だけでなく、葬儀をする事が故人の尊厳と、堂々と公言
する人もいますが「それ自分の感覚でしょ?」
あなたは全日本人の代表ですか!? 
日本人は全て同じ感覚で生きてると思ってるのですか!?
どう考えても、自分の感覚の押し売りでしかありません。

》葬儀は家族との別れを受け入れる時間と考える人
》生前信仰する宗教は無かった人
》存命中最大の不安と心配は残る家族の生活である人

例えば、上の三つが生前の感覚だったとしたら・・・
宗教儀式としての葬儀は要るでしょうか!?
それが故人の尊厳を守ることになるでしょうか!?

》葬儀は家族との別れを受け入れる時間と考える人

であるなら、葬儀は済んでいると考えれば良いでしょう。
あとは土葬でも、火葬でも、散骨でも、納骨でも、あるいは
他の方法でも故人を含めた家族で決めた事をすればいい。

》生前信仰する宗教は無かった人

当然宗教儀式は不要だし、信仰の無い宗教者に謝礼を払って
までの葬儀などして欲しいはずがありません。
当然ですが、ありがたいと思うこともありません。
そう思うのは宗教者の奢りでしかありません。

》存命中最大の不安と心配は残る家族の生活

この感覚を持って逝去された方々を沢山見てきました。
中には家族に対し「あんしんサポートの武井さんに全て任せ
ておけば安心だから言われた通りにすれば良い」と家族に念

を押して逝った故人は何人もいます。

うちは事前相談必須ですから、対象者自身が相談に来る事も
珍しくないし、対象者の希望を家族から聞くことも多いです
から、その意味では最も故人の尊厳を守って葬儀をしている
とも言えるはずです。

対象者の本音や希望も聞かず、火葬でなく、宗教儀式をする
ことが故人の尊厳を守るとの主張は、極論を言えば暴言です。

また大勢に見送られて葬儀をする事は、付き合いのあった人
たちへの・・・みたいな事を書く人もいますが、故人がその
葬儀を望んで無いなら、すべきでは無いと思います。

故人の尊厳と言うなら、最後までそれを貫くべきです。
書く人の都合や感覚で右往左往すべきではありません。

直接、家族や対象者と接触して確認した本音を遂行する人が
「唯一故人の尊厳を守れる人」なんだと思う。

だからこそ、笑って話せる時に葬儀の話しは始めるべきです。
死期が近づくと、希望が変化する対象者もいるでしょう。
或いは残る家族の心境が変化することだってあるでしょう。
それはそれで構わないと思います。
諸行無常・・・全て変化し続けているのです。

大事なのは、誰かに言われた、聞いた、読んだでは無くって
自分と、自分の最後を託したい人の思いです。

葬儀は、この手の問題が非常に多いですから、できれば信頼
に足る人物を探しておくなり、相談しておくと良いでしょう。

 

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