会員さんの娘さんから電話、母親が施設で逝去したと言う。
登録内容を見ると、6年前に父親が入会に来館されてる人
だと分かり、当時の予定葬儀は家族葬で永代供養散骨だと
分ったが、娘さんの話しによると父親であるお爺ちゃんは
数年前に脳梗塞で倒れて、今は別の施設に入所していると
聞かされた。
母親であるお婆ちゃんを迎えにいき、あんしん館に戻ると
199.000円の家族葬2の個室安置でなく、当時は無かった
150.000円の家族葬1を想定して、式場祭壇前に納棺安置
して、お爺ちゃんの到着を待った。
到着したお爺ちゃんは、スウェット上下に学校の上履きの
ような靴を履き、杖を突いて式場に入ってきた。
末期の水をとり線香を供えると打合せ、お爺ちゃんは耳が
遠いため、娘と孫二人と話しをする。
入会当時のお爺ちゃんは元気だったけど今は施設でしょ。
費用も掛かってる事だし、湯かんは1時間近く掛かるのも
今のお爺ちゃんには負担だと思って、家族葬1を想定した
安置をしたけどどうかな?
それと9日が友引で、亡くなったのは6日夕方だから7日
には火葬できないし、8日の前橋斎場は午後の予約は埋ま
ってるから、お勧めは7日の午後から葬儀をして、8日の
朝一で火葬するのが最善だと思う。
一日で全て済ませるには10日まで先に行くから、かなり
長いと思っていいし、安置とドライアイスの追加もでるし
今の爺ちゃんに湯かんの時間は大変じゃないかなぁ・・・
という事でお爺ちゃんに確認し「家族葬2の150.000円」
で決まりました。
「それとね、今のお爺ちゃんが、黒の礼服を着てくるのは」
「大変だと思うし、葬儀の時は家族だけでしょ」
「火葬も朝一番だから人とは、それほど逢わないからさ」
「個人的にはお爺ちゃんに合わせて全員私服で良いと思う」
それを聞いてた孫達が賛成し、7日の葬儀、8日の火葬と
全員が私服での葬儀を終えました。
今回の喪主はお爺ちゃんです。
お爺ちゃんが楽な方法が一番です。
服装や見た目を優先する人もいるし、マナーでどうのって
書いてる人もいますが、個人的には服装なんて何でもいい、
大事なのは「心」と「後に残る人達」なのですから、後に
残るお爺ちゃんが納得する葬儀さえできれば良いんです。
当然、いつものように、みんな手で拾骨をしてきました。
当初の予定では散骨+永代供養墓でしたが、お爺ちゃんが
一人で墓参りに行くのは無理ですから、なら少量の粉骨を
手元で供養し、お婆ちゃんにゆかりのある場所とかに少し
撒いたらどうですか?
と勧めると、お爺ちゃんはロケットの首飾りに入れておき
たいと言い、すでに注文してあるそうです。
87歳の爺ちゃんが、86歳で逝った婆ちゃんの、粉骨を
ロケットに入れて首から下げていたい・・・
11年間で初めてのケースですが微笑ましい話しです。
先に逝った配偶者の遺骨を身に着けていたいと言える人が
どれほどいるでしょう。
たった6名の葬儀でしたが、7日葬儀のあとはゆっくりと
お別れができたし、8日火葬でも、そして火葬後も遺骨を
身に着けると笑顔で話す爺ちゃんを見ていると、最後まで
温かい気持ちで送れた葬儀だったと思います。
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