業界人だけでなく、理事や関わってくれた人達からも良く
聞かれることのひとつに「決断の仕方」があります。

》何で5万円で火葬しようと思ったんですか?
》何で自社で散骨場を所有したのですか?
》何で永代供養墓を自社で建立したのですか?

等々から始まって、最後は皆さん同じ所にいきます。

「我々素人が見ても儲からないと思う葬儀をするのは何故」

異口同音ですが、最終的にはこんな言葉を掛けられます。

「確かに儲からないけど、もう10年も食ってるじゃん」

と笑って言えば話しは終ります。

では僕と同じように、商売をされている方は沢山いますが、
その方々にお聞きします。

「なんで商売してるんですか?」

食う為、生きる為と答える方もいらっしゃるでしょう。
けど、生きる為なら超高齢だとか、他人と共存できない人
意外なら、日本はサラリーマンがリスクも無く最善の仕事
だろうと思います。 でもサラリーマンでは絶対と言える
ほど難しい事だから経営者になったのが僕です。

これから先は僕の個人的な考え方です。

以前の結婚式は、しても、しなくても、問題ありません。
それは美容室でも、レストランでも、住居でも同じです。
行っても、行かなくても、賃貸も、建築しても自由です。

しかし人の死だけは違います(病気も同じ部分があります)
自分の意思だけではどうにもならず、死後の遺体を自分で
処理することはできませんし、誰にでも必ず訪れます。

葬儀に疑問を持ち、調べたり聞いて周ったりもしました。
葬儀屋、宗教者、そして100名以上の葬儀した家族にも
話しを聞かせて貰いましたが、納得できる答えに辿り着け
ませんでした。

というより、小さな疑問から大問題に変化したのです。
終幕直前は病院等で最善を尽くしてくれます。
火葬場に行けば前橋なら無料で火葬してくれます。

でも逝去後から火葬場までは、業者のやりたい放題です。
料金規制もありません。
霊感商法が規制されることもありません。
宗教者への規制もありません。

国民年金だけで、やっと生活してる老人夫婦の片方が逝去
しても、葬儀屋は最後だからと100万円以上の葬儀にし、
宗教者は読経し戒名が無ければ、あの世で成仏できないと
霊感商法丸出しの発言で40万円~の高額料金を布施だと
いって請求する・・・

残ったお婆ちゃんは、貯金の全てを使い、中にはローンを
組まされる人もいるし、年金も減って生活する事になる。
こんな現実に消費者庁も行政も何も言わないし、しない。



平均で考えて良い事だけではありません。
平均以下や底辺の人達を切り捨てて良いわけがありません。
自分の意思ではどうにもならん部分こそ、福祉で改善する
べきだと思うのは、僕だけではないでしょう。

こんなの絶対に間違ってる・・・
団塊世代の終幕期2030年代までに何とかせねば・・・
年齢順で行けば、その後に続くのが我々の世代です。
明日は我が身、子供達に負担は掛けられない・・・
けど、自分にそれほどの力量も能力もない・・・
でも一石を投じるくらいはできるだろう・・・

それが「国保葬祭費で可能な5万円火葬支援パック」新設
設置への挑戦、3年間掛りましたが実現できました。

大多数の仕事は、利用者の好き勝手で選択できるものです。
しかし逝去だけは自殺以外選択ではありません。
その意味では特殊な仕事のひとつだと思ってます。
ゆえに、本来行政が行うべき仕事だと言ってるのです。

ぶっちゃけ食う為なら、いくらでも仕事はあります。
10年間で3日間の休日、24時間、365日仕事をする
覚悟なら、家族を養うくらいの収入は得られるでしょう。
でもそれでは、自分の家族だけに過ぎません。

気付かなければ問題ありませんが、気づいてしまった以上
せめて一石だけでも投じる必要があると考えました。

だから全てが家族目線なのです。
儲けたいとか、食う為ではないからです。
じゃ無かったら、葬儀が好きでもなく、忌み嫌ってたのが
僕なのですから、葬儀に携わる意味がありません。

だから妥協もしません。
媚びることもありません。
家族目線で必要なことは全て実現に向け走ります。

その結果、僕の感覚が家族目線とずれていたら、利用する
人達はいないでしょうから、経営は成り立ちません。
そしたら廃業すればいい・・・と思うだけです。

皆さんは決断の仕方や、何故そう考えたのかと聞かれます
それは、その前提に今回の内容があるからです。

昔から行われてるから良いとは限りません。
悪しき慣習は沢山あります。
時代の流れに沿って無い慣習も沢山あります。
誰かが気付いたら、一石を投じる事で改革される事もある。
また改革されるべき事、されなきゃいけない事だってある。

決断に迷わない人、決断の早い人、決断に筋の通ってる人
こんな人達に共通するのは、その根底にはしっかりとした
信念があるからでしょう。

こんな話しは、通常会話の中でしても仕方ないですからね。
普段は「でも食ってるじゃん」と笑って終わることですが
実際は、それなりに奥のあることだったりするわけです。


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誰もが終幕後の費用を心配する事なく、自分の人生を精一杯楽しめる世の中にしたい
創業者の思いを後世に伝え、当時何を考えてたか嘘のつけない自分日誌でもあります