現時点で「あと数日の余命」と宣告された家族から10名
ほど連絡を受けていますが、3月は気候的に良かったのか、
葬儀の施行数は少ない月となってます。

ただ入会数はいつものように20件ほどあり、墓閉じでの
散骨も多い月となりました。

後継者不在による墓閉じで2件ほど寺の住職と、ひと悶着
あったようです。

以前にも書いてますが、いざ自分でその時になると判断に
困って電話をしてくる家族が多く『改葬』と『非改葬』の
違いを改めて記しますので覚えておいてください。

『改葬』とは、
一度葬った遺体や焼骨を、改めて他の所に葬りかえること、
ようするに墓から別の墓への引っ越しの事です。

墓への移転、永代供養墓、納骨堂、樹木葬は「墓地、埋葬
等に関する法律」枠に入り『改葬』の手続きが必要です。
簡単に言うと墓所のある行政の許可証が必要となります。

『非改葬』とは、
一度葬った遺体や焼骨を「散骨」か「手元供養」すること。
行政の許可証は不要です。

勘違いされてる方が多いのは「散骨」や「手元供養」とは
行政が認めてるわけでなく、散骨や手元供養が法的に定め
られおらず、罰則もなく、黙認している格好です。
この辺りの感覚は理解しておきましょう。

どっちでもいい話しをひとつすると、市役所で発行される
「火葬許可証」が「埋葬許可証」にはならないはずです。
「埋葬」とは法律では土葬のことを指してるはずです。
墓に納骨はしますが、埋葬ではありません。



ただ前橋でも「死体埋火葬許可証」とありますから、文字
通りに受け取れば、この許可証で土葬できるはずです。
まぁ土葬を許可してる墓所ってことになりますが・・・

さて本題に戻って、ひと悶着は「改葬手続」の要不要です。
墓閉じをして、遺骨を散骨するか、自宅仏壇等で手元供養
するなら「改葬手続不要」を知らない住職が大多数です。

墓から出して他の墓、永代供養墓、納骨堂、樹木葬の時は
行政の改葬が必要、散骨と手元供養は不要です。

聞く耳を持たない住職なら、その場で討論せず、一旦引き
下がり墓所のある行政に行き、墓閉じの遺骨を散骨したい
旨を話せば「改葬許可は要りません」と言われますから、
その場で寺に連絡をとって説明すると良いでしょう。

それでも住職が何か言ったら行政担当者に電話を代わって
貰い説明して貰えます。 

また納骨時、寺に渡した埋火葬許可証を保存してある寺は
殆どないですから、行政から「改葬許可証交付申請書」を
貰うか、ネットの役所ホームページでダウンロードをして
寺に持っていき、署名捺印して貰い、手元供養なら遺骨と
一緒に保管し、散骨なら業者に渡しましょう。

墓閉じした遺骨をどうするかや、墓の無い家族の逝去時は、
最低でも10年先、20年先を考えた上で、建墓、散骨、
永代供養墓、手持ち供養などの方法を決めましょう。

子供が中学生でも、小学生でもしっかり話しの輪に入れた
上で、本人の意思も確認しながら判断すべきです。
費用や経費面等もすべて理解させる必要もあります。
間違っても自分や夫婦の感覚だけで決めてはいけません。

考えるポイントを少し書いておきます。

》墓の存在が子供達の飛躍への足かせにならないか
》毎年の費用(寄付含む)はいくら掛るか
》年老いた時、墓参りに行けなくなることも考慮
》墓の形態の違いを正確に知ることです
(一般墓)自分の土地、公営、寺、民間、地域墓地など
(納骨堂)地域、寺、民間など
(永代供養墓)寺、民間など

皆さんは、墓の中を良く見たことがありますか?
自分の遺骨を、その墓に納めたいですか?
遺骨は墓に納めるものという概念に囚われず、現実と未来
予測の中で我が家にとって最善の方法を探ってみましょう。

ちなみに武井家では、寺墓はありますが、従妹が墓閉じを
しなければ僕が墓閉じします。

墓については家族全員が墓閉じを望んでいます。
葬儀についても全員葬儀は不要と考えてるようです。
ただ僕の場合に限り、今までの付き合いを考えると、葬儀
しない訳にいかないだろうと息子は言いましたが、葬儀は
不要、家族で送ってくれたらいいと話してあります。

墓も含め形あるものは、時代や家族の状況で変えるべきで
大切なのは形でなく、故人を忘れない事です。

僕自身の人生でも、生前の祖父母や父親の事を思い出すと、
何処か温もりのある独特な気分になれます。

大小含め故人とのエピソードは、僕の場合マイナスでなく
精神的な安定にもなるようです。 また不思議だと感じる
のは、あまり気の合わなかった母親でしたが、思いだす時
には笑顔の母親だし、祖父母、父母を始め叔父や叔母など
誰を思い出しても嫌な気分になる事がありません。

家族で過ごしたのは、わずか10年の僕でも、そう思うの
ですから、生まれた時から自立するまで家族で過ごした人
なら、僕以上に心安らぐのではないでしょうか・・・

純真無垢だった頃の自分に戻れる唯一の方法が、育て面倒
看てくれた人達を思い出し、当時の自分に戻ることです。
だからこそ、時々で良いから思いだす事は、宗教を問わず

人として大事なことに思えます。

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