11年前、あんしんサポート設立初年度の葬儀施行単価は
約100万円、但しわずか3件の施行でした。

その後6年間、倍々で施行は増え続け、10年後の決算に
確認すると施行単価10万円台まで下がってます。

まぁ一般葬は受けない、無理はさせないと言葉だけで無く
実践してきたし、施行単価より葬家の財布事情が最優先と、
心掛けてきた結果だから、当然なのかもしれません。

それにしても10年間で、これだけ単価が下がるかぁ!?
普通に考えてあり得ないでしょ!?
当の本人でさえ『何だこれ??』と思ってるわけですよ。

その最大理由が15日葬儀した家族との打合せで判明・・
それは設立数年後の事、ある寺の住職の言葉からでした。

「代表、うちの布施は40万円だから安いですよね」

「ちょっと待って、安いって何を基準に言ってるの?」

「布施が50万、60万の寺も沢山あるじゃないですか」
「それと比べたら40万円は安いですよ」

この話、皆さんはどう感じますか?
僕はあきれるし、面倒だから何も言いませんでした。

住職は高額な寺を基準に、安いと言ってるに過ぎません。
この感覚は寺に限らず、葬儀業界や、多くの業界でも同じ
発想をしがちですが、僕は間違ってると思います。

安いか高いかは事業側で無く、利用する側の感覚で考える
べきものだと思うから、その額を高いと思う人は対象外で
あると企業は考えているのだと思う。

6万円のブランド財布、一泊10万円のホテルなど、その
典型でしょうが、一般企業ならなんの問題もない。

ただ寺の墓所に墓を建てた当時は違い、後々になって高額
布施を要求するのは、墓という人質を取ってる強みとでも
思っているのでしょうか・・・
だから寺に墓の無い人から檀家離れが急増するのです。

さて、あんしんサポートはどんな考え方をしてきたか・・
通常葬儀パック料金の設定は、必要な項目原価+人件費+
利益=料金ですが、うちは第一が全く余裕の無い家族です。
極端に言えば、入院費や施設入所費さえ、まともに支払い
できない家族を前提としてきました。

だから設立当初の目的が、国保からの葬祭費だけで可能な
『5万円火葬支援パック』の完成だったのです。
これなら一銭も無くても葬祭費で火葬は可能になります。

でも消費税引き上げで、便乗値上げが続き69.000円が
現在の最低料金ですが、実際は69.000円だって高くて
支払えない家族は、いくらでもいるはずです。

逆に言えば100万円の葬儀も安いと思う家族もいます。
そう、高いとか安いは、個々の家族毎に全て違うのです。

全ての企業が水準以下は対象外としたら、水準以下の人は
火葬すらできない事になります。 しかし人は誰でも必ず
終幕を迎えるのです。 だから設立前から言ってるように
うちのしている事は本来、行政が行うべきことなのです。

人が生れりゃ死ぬに決まってるんだから、生まれた時から
死後費用について考えるべきなのです。
・・・この部分は突っ込めばいくらで言う事があり過ぎる
ため、今回の内容と少しずれるので、これで終わります。

さて本題に戻すと、施行単価の急激な減少理由は・・・
積み上げでなく、余裕の無い家族の実態から料金設定して
きた結果であると判明しました。

改めて考えると馬鹿みたいな話です。
例えば『直葬』パックを創りたいと思ったら、まず最初に
直葬に必要な内容項目を全て羅列します。
使用品は誰が見ても違和感の無い品質の物が絶対条件です

『お迎え用寝台車』『ストレッチャー』『搬送用シート』
『顔当布』『6尺山型フタ付白布棺一式』『ドライアイス
48時間分』『線香具一式・末期の水など』『安置施設』
『死亡届出(逝去地・本籍地・届出人居住地)』『燃料』
『火葬予約』『火葬場への霊柩車搬送』『7寸白骨壺一式』
『施設・車両維持費』『その他、諸々の諸経費や雑費』

上記に必要な全人件費を含めた料金設定の基準が、国保の
葬祭費5万円を基準としたわけです。
素人さんが見ても、儲からないくらいは分るでしょう。

儲けうんぬん以前に原価の積み上げさえせず、儲かろうが、
損しようが国保から5万円なら5万円で行う。 
このパックは赤字でも、全利用者が5万円パックじゃ無い
んだから、グロス換算すれば何とか吸収できるはず・・・
という考え方です。

そうなんです。
当時の平均施行単価は100万円弱だからの言葉でした。
ところが、5万円パックはNHKでも全国放送され、当然
話題になるのは5万円パックを始めとした、低料金パック
である事が急激な施行単価の引き下げになってます。



でも、なんだ、かんだ言っても11年間食ってきた訳だし
入会希望者は増え続けてるし、僕くらい強気な業界人など
いないだろうし、嫌な仕事はしないと言えちゃうのだから
大は付かなくても正解なんだと思う。

つーかさ、さすがにブレることなく11年間続けていれば
あんしんサポーのイメージは出来上がってるし、今更変更
する気もないし『行けるとこまで行くさ!だね 』v(^^)


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