今あんしん館に30代前半の若い母親が、ご安置されていま
すが、前回書いた方が病理解剖を終え、昨夜警察署にお迎え
に行き本日家族での葬儀、明日火葬となります。

9日死亡ですから、すでに4日経ってはいるのですが解剖が
成されるなら、腐敗臭の問題はないだろうと事前に判断し、
家族だけでの葬儀後、子供達や家族とお別れをする時間位は
とってあげたいと考えての日程です。

本日午後2時から僧侶による読経、故人の好きな服類を入れ
タバコや手紙など入れた後、家族や親しい友人と半日ですが
過ごさせてあげられます。

昨夜、安置が済み死亡届書に記入して貰うと、故人の母親と
お姉さんから相談が相次ぎました。
聞きたい事をいくつも考えてきたようですが、内容は葬儀の
事では無く、残された子供達の事を中心に、これからどんな
接触の仕方をすれば良いか、子供達をいつから学校に通わせ
たら良いか等々でした。

僕はカウンセラーでも無く、その類の相談を受ける人で無い
ことなど家族は重々承知しているのです。 それでも相談を
するのは何か思うところがあるのだろうと僕なりに答えます。

》中学3年で稼業が倒産し父親は蒸発、僕は祖父母と生活を
 した時の心境や経験談は、残された中学2年の子に役立つ
 事があるかもしれないと考え、その点から始めました。

》中学男子の性欲についても、僕の経験をそのまま話した。
 祖母と叔母、どちらも女性、男の子の生理的な感覚は分ら
 ないと思ったからです。

》また家族が子供達に気を使うと、その感覚が伝わり子供も
 気を使うことになる。 難しいだろうが、今迄と同じ接触
 変わらない接し方が一番と話す

》母親を突然亡くした子供達に神経を使うのは分るが、その
 状態を続けられますか? 無理でしょ? だから今までの
 ように接するのが子供達にとっても楽なはず・・・

》どんな言葉を掛けても、今は何も解決しません。
 母親には自分も我慢はしなくて良いから、一緒に泣いて、
 子供達を抱きしめてあげて欲しい。
 肌の温もりを身体で感じさせてあげて欲しい・・・
 あとは時間が心を和ませてくれるのを待つしかない・・・

大枠では、こんな内容の話しをさせて貰いました。
話しを聞いていた2人は、時に泣き、時に笑いながらの時間、
すると母親がボソッとくちにしました。

「ここで話していると、不思議に落ち着くんですよ」
「家で特に夜になると色々思い出して駄目なんです」

前日まで元気でいた人の死・・・ それも我が子の死・・・
受け入れられなくて当然です。 
きっと頭の中は迷路のようだろうと思います。

その人達が数日前までは、顔も合せた事の無い人間の話しを
聞きたいと思う・・・だから僕も本気で考えて話しをする。
きっと話した内容よりも、本気で相談に乗ってくれていると、
家族が思える事、信頼に足る人物だと思える事が最重要なの
ではないか・・・と感じます。

どんな事を言っても、どんに事をしても結果は分りません。
大切なのは、どんな結果であったとしても、その時は最善を
尽くしたと思えることです。

家族の経済事情の本音を聞き、最大限費用は抑えつつ葬儀を
した実感を子供達には持って貰える葬儀を創り出すことも、
子供達の心に疑問、後悔を残さない要因のひとつになるだろ
うと考えています。

老人の葬儀と違い、より細かな神経を使う部類の葬儀ですが
こんな葬儀こそ、小さな葬儀社のほうが適していると思う。

小さな葬儀社だから出来る葬儀・・・
マニュア化された画一的な葬儀しか出来ない大手葬儀社とか
警察からの依頼が入る上層部が天下り葬儀社とか、
紹介ブローカーからの依頼中心葬儀社とか、
葬儀社と言っても事業形態、内容は様々です。

どの形態が良い悪いではありませんが、ひとつだけ共通して
いる事・・・それは基本が『家族目線』では無いことです。
僕があんしんサポートを率いる限り、家族に温もりを感じて
貰える葬儀期間を提供できる小さな葬儀社でありたい。


にほんブログ村 その他生活ブログ 葬儀・法事(個人)へ
誰もが終幕後の費用を心配することなく、自分の人生を精一杯楽しめる世の中にしたい
創業者の思いを後世に伝え、当時何を考えていたか嘘のつけない自分日誌でもあります