お盆の13日、14日、寺によって15日まで、新盆供養の
檀家周りで、葬儀は早くて15日~という寺が多いですから
この時期に亡くなる方は安置日数が増える傾向にあります。

とはいえ毎年お盆の葬儀はあるので、それなりに対応策とか
逝去一報後に確認すべき事項も分ってきたので慌てずに済む
ようになった自分を感じます。

孤独死の凄惨なご遺体を火葬する日の早朝、施設に入所して
いた方が亡くなったと家族からの電話でしたが、施設の場合
夜間~早朝に掛けて逝去した場合、医師の死亡診断が翌朝に
なるケースも多く、今回の特養施設もそうでした。

事前に夜間早朝の場合、医師が来るまで最も腐敗が進み易い
腹部に凍らせた冷却剤か氷を、直接当ててくれるよう頼んで
おいたのですが、施設職員から『医療行為にあたるからでき
ない』と言われたと聞かされました。

今まで全ての施設で一度も言われた事のない言葉です。

新しい施設のようですが、一人の職員の為に施設全体が人と

して問題あると思われる可能性もあるのです。


正直なところ、この職員には呆れてものが言えません。
多分、僕ならその場で怒っているでしょう。
職員の言ってる『医療行為だから』は間違ってはいませんが、
なら逝去直後に死亡診断することです。
それが出来ないのは施設の問題だと分ってないのでしょう。

また施設は温度管理ができている為、冬でも暖かく、夏でも
冷蔵庫のようにはならないのです。
更にタオルケットを掛け、毛布を掛けておく施設も多い・・・
その結果、腐敗は進むのです。
今回は老衰ですから末端の細胞はすでに死んでおり、最後の
心臓が停止した状態で死亡ではありますが、すでに内臓から
腐敗が始まっても不思議ではありません。

お盆で医師が休日をとっていたのでしょうが、総合病院まで
遺体を運び、死亡診断して、施設まで連れ戻してからの引き
渡しですから、35℃以上の中を冷却もせずに動いた訳です。

法的な問題を言うなら、死亡診断書を携帯しない状態で病院
まで搬送する事自体が違法です。
ま、この辺は正直どうでも良いことです。

しかしその結果、我々が迎えに行った部屋は鼻の良い人なら
死臭が嗅ぎ取れたはずです。

法律を守ることは大事ですが、臨機応変する事はもっと大事
後見人は死亡した瞬間から後見人の権利を喪失するのが法律
ですが、法律に従ったら誰も火葬手続をしない事になります。
死亡後も最後まで後見人が面倒を看ているのが殆どでしょう。

死亡した瞬間から遺体に触れないと法律を盾に腹部の冷却を
拒否するなら、病院への搬送も遺体に触れるから違法です。
上に書いたように死亡診断書不携帯で遺体を搬送も違法です。

されど遺体の腐敗を防ぎ死臭が出ないように対処するほうが
法律うんぬんより遥かに大事だと分らない職員が問題です。
自分の都合に合せて法律をくちにするなどあってはならない。

一旦死臭が出ると腐敗は一気に進行します。
今回は安置直後、腹部を凍結するようドライ処置しました。

施設は生きている人間を相手に介護するのが仕事です。
ならば決まりだからだけで済まない現実を、何度となく経験
しているはずです。 その時々、どんな対応するのでしょう。

料理人は旨くて安いものを作るのが最大の目的なら、商人は
良い物をより安く販売する為の努力をするし、医師はできる
限り長生きできるよう最善を尽くす・・・

どんな仕事でも究極のテーマがあるように思える。
なら施設職員とは『入所者が快適に過ごせるよう努力する』
ことであり、最後まで入所者主体の土俵に立ち続けることが
介護士のプロなんだと思う。


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