結論を言えば、事前に考えたものと、実際に葬儀になった時が

同じとは限りません。 全く違うものになる可能性もあります。

対象者が施設や病院で、どのくらい掛ったかによってでもあり

元々の経済力、蓄えによっても違ってくるでしょう。

対象者が施設に入った場合を想定してみましょう。

・特養への入所で月に8万円が3か月なら24万円

・一般施設への入所で月に15万円が5年なら900万円

極端な例ですが、預金から出す金額は876万円の差です。

この部分はいくら考えても、事前に計画も計算もできません。

なら考えても仕方ないじゃん・・・ってか!?

いえいえ、事前に考え、動いた人と、逝去後慌てて決めた人の

差は皆さんが思ってる以上に大きいのです。

今日自宅置き返礼品の精算に来てくれた方が言いました。

「入院はしてたけど、まだ大丈夫だと思っていたら急変で逝去、

病院から紹介された葬儀社は○○○○○、高いのは分ってたし

近所の人達から、あんしんサポートが良いって聞いていたので

看護師さんにちょっと待ってくださいと、自宅に戻ってあんし

んサポートのパンフレットを探し、すぐに電話したんですけど、

近所の人達から聞かされてて本当に良かったです」

これで分かるように、自分達家族の問題だけではないのです。 

病院は逝去すると、すぐに出ていってくれと言わんばかりで、

依頼葬儀社が決まってて、お迎え時間が分っていれば、普通は

何も言いませんが、決まってないと何度も催促されます。

今回病院から紹介された葬儀社を利用なら、支払いは4倍以上

家族にとっては死活問題、だったと言うのが家族の見解です。

ぶっちゃけ、病院の看護師さん達もひと事なんですね。

不思議なのは紹介するのが皆、高い葬儀社ばかりです。

何か貰っているの? 病院の評判を落としてまで高い葬儀社を

紹介するのですから、そうとしか思えません。

もうひとつ、金は出さず、くちだけ出す迷惑な親戚、田舎なら

隣保などの存在も忘れてはいけません。

昨日の葬儀がそうでした。

ずっとお父さんの面倒を看てたこともあって、恥ずかしいけど

お金が無い、父親が亡くなったらどうしよう・・・でも父親は

無理しなくて良い、焼くだけで良いと言っくれてる優しい人。

事前相談に来てくれた時、お嫁さんに聞かされていました。

勧めたのは、お迎え~骨壺に納まるまでの総額69.000円+税の

直葬パック、これで安心できましたと帰ったのです。

ところが逝去され、病院からあんしん館に搬送し、予定通りの

納棺安置をし、打合せに入るとくちを開いたのが親戚でした。

初め僕に葬儀の事は知ってるからと、知ったかぶりしましたが

全て間違っていたので、正解を伝えると、葬儀屋も知ってると

言うので「知ってるならそこに行けば良い、うちはお願いして

葬儀して貰う葬儀社ではない」と強く言いました。

すると、僕にはかなわないと思ったのか長男に向かって言う。

「そんなんで良いのか! 自分が一番世話になったんだろ!」

そんな事は普段は来もしない人に言われなくても、息子が一番

良くわかっているから事前に相談にきたのです。 

優しくていい父親だったと語る息子夫婦は勿論、誰だって豪華

な葬儀をしてあげたいと思うのが人情なのです。

でも、その余裕がない、お金がない、一番辛いのは息子達家族

なのです。 それを自分の理論が正しいとばかりに大声で言う

・・・その費用は全て俺が持つと言うならそれも良いでしょう。

時刻は夜中の3時、ずっと葬儀が続いて僕自身も疲れていたし

すぐに答えが出そうな雰囲気ではないので伝えました。

「悪いけどその話しは、家でしてくれないかな? とりあえず

我々は予定通りに進めるから、変更になるようなら、朝にでも

連絡してください。 変更は簡単ですから問題ありません」

全員がもう一度線香を供えて帰りました。

この親戚、話の途中で20万が30万だろうが出すくらいの勢いで

話してたから自腹切って変更する気あるのかな?って思ってた

けど、やっぱ金は出さずくちだけの人間でした。

結局は何も変わらず全て予定通りに進めました。

うちは依頼者を守る立場をとりますし、家族以外に対して結構

強いですが、全ての葬儀屋が同じではありません。 

というかこんな対応は、あんしんサポートだけだと思います。

この点を踏まえ、以下を家族が元気な時に相談します。

『私達家族にとって葬儀とは』

『葬儀で使える金額』 ※ 最終決定時の優先順位第一位

『私達家族にとって遺骨とは、墓とは』

『生前にして欲しい事』

『葬儀形態(直葬・家族葬・一般葬・お別れ会などなど)』

『葬儀に呼んで欲しい人、呼んで欲しくない人』

『家族各自の希望を書き出しておく』

『金銭的に余裕が無い時の葬儀の決め方』

以上を話し合った上で我が家に相応しい葬儀屋探しをします。

例えば父親の希望と条件を書き出して見積りをとる。
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家族葬で、施設安置、列席10名、祭壇は違和感無い程度飾る、

通夜しない、湯かんする、宗教者も依頼(戒名何でも良い)

火葬中10名で清め(料理豪華でなくて良い)返礼品一般5個

葬具は違和感の無い物使用、○○病院で午前2時の逝去を想定

(当然使える金額も設定しておきます)
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・評判の良い葬儀社 ・皆が勧める葬儀社 ・気になる葬儀社 

から上記内容で数社見積りをとれば料金差が分ります。

あとは、受付や営業の感じの良さ、相性の良し悪し、頼れそう

なのか、頼りなさそうか、などは自分の心が教えてくれます。

見積りを取る際に大事なのは、見積り事項は全て限定する事、

完全見積もりが出せる条件を整え、出来れば事前に正確な見積

もりは避けたい葬儀社の逃げ場を無くすことです。

この内容でも『祭壇飾りの内容』『料理の内容』は不透明です

から見積りの際は、全て具体的に決めます。

祭壇飾りについては全項目を同じにする。 たとえば・・・

施主花一対・白木膳一式・果物盛・灯篭一対などです。

勿論、パック内に含まれる物があれば料金は下がります。

飲食については同じ金額で設定して貰えば良いでしょう。

 すごく難しいですが、家族が本当に見つけるべきは、葬儀社

以上に、自分達の事を真剣に考えてくれ頼りになる施行担当者

なんだろうと思います。

多分、同じ葬儀社でも担当者によって葬儀の評価は色々だろう

と思います。 もっとも料金は同じでしょうが・・・

その点に関して個人は受付から施行まで、全て同じ人でしょう

から分り易いのは確かです。

あとはパックにある項目『搬送・お迎え』『棺』などですが、

前回書いた『湯かん』『ドライアイス』も含め、他社のことは

分りませんから、あんしんサポートは何をどんな風に使用して

いるかを書いてみます。

多分、僕以外の葬儀社では書きたくない事でしょう。

考えようによっては、企業秘密、他社との差別化項目、独自性

などを演出する部分でもあるはずです。

なら、なんで書くの!? ですよね・・・

家族が温かく送ってあげたいと思い、それを補佐するのが我々

葬儀を施行する側の葬儀社です。 何度も書くように消費者の

葬儀に関する知識は無知と言えるほど少ない方が殆どです。

だから嘘や適当な事を周囲が言っても通るわけです。

『何が分らないかが、分らない・・・』

こんな人達を騙したり、誤魔化すのは簡単ですし、料金を引き

あげるのも容易いことです。 僕が大手葬儀社の営業マンで、

売上を上げる気ならトップセールスになる自信があります。

そのくらい容易く説き伏せられる人達が現状の消費者であり、

殆どの家族なのですが、それで良いとは思えません。

勿論、あんしんサポートがしている事や、使い方がベストだと

言っているのではありませんし、絶対正しいとも言いません。

が、家族の中でひとつの指針には成ってくれるでしょう。

それと、僕らが施行する数など、たかが知れています。

圧倒的多数は全国の他社が葬儀をするのですから、家族自身が

少しでも知識を持ち、少しでも自分達の考え方を持つことが、

後悔をしない、良かったと思える葬儀へと繋がるからです。

次回『内容の良し悪しと、料金の高低は比例しない』です

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